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【読書日記1】『貧乏ピッツァ』/ヤマザキマリ

昨年は、いや昨年もせわしなく過ぎてしまって、本好き、などと自称しているわりに読書しなかった。これではいかんね〜と、一念発起、今年は100冊読もうと年頭に誓ってみた。

というわけで今年の1冊目。『テルマエ・ロマエ』でおなじみのヤマザキマリさんの食に関するエッセイ。1年の始まりにふさわしい示唆に富んだ1冊であった。17歳で留学されたというイタリアを始め、世界あちこちにいかれている著者が、食の体験を入口に文化や歴史や家族の在り方などについて言及していく。例えば、タイトルにもなっている「貧乏ピッツァ」では、ピッツァの歴史や(なんと古代ローマ時代から!)、厚い生地と薄い生地のピッツァが示す経済状況などが記され、普段のほほんとデリバリーで食べているピザには多くの学びが潜んでいるのだった。他に、なぜ飲んだ後の締めラーメンが美味しいのか、スパークル飲料に秘められた深い人生の意味などなど、食の奥深さと著者の豊富な人生経験に脱帽するばかり。全体を通して笑えるし、ほろっとする部分もあり、読み応えのある本でありました。

この本は、そもそも、人生の師匠と仰ぐ人からのいただきもので、あまり食に興味がない私に、こうして時々食への関心を呼び覚ますような本を贈ってくれる。食べることは生命力につながる。世界中、どこにいても誰でも、共通の感覚を味わえる大事なツール。ちゃんと食べよう!


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