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初めては喜びの元。世界よ広がれ。

初めて自動車のバッテリー交換を自分でやってみた。

去年の秋、自動車を点検してもらった。その時に「バッテリーが減っているので、冬を超えるくらいには交換した方がいい」と整備士さんから言われていた。

もたもたしている間に夏になっていた。

確かに最近エンジンのかかりが悪いことがある。いつもなら鍵を回してキュルルでエンジンがかかるところが、キュルルルルルルになったりするのだ。これはいよいよかと思いつつもなかなかタイミングが無く交換ができない。

実は以前、バッテリー切れを起こして車のエンジンがかからなくなってしまった事がある。しかもその日はちょうど引越しをする日だった。引越し業者に来てもらうのは夜だったので、それまでに必要な物品を買い出しに行った時に起こった。セブンイレブンの駐車場でエンジンがかからなくなり、初体験のハプニングに慌てた。そして、何故よりによって今日?と笑った。

その時は、お世話になっていたディーラーさんに電話をして助けてもらう事が出来たが “車は急にバッテリー切れを起こす” という事を身をもって知ることとなった。

そんな体験があるので、最近は運転をする時にずっと恐怖心を抱えていた。家の近くに借りている駐車場で事が起きればまだしも出先だったら悲惨だ。という事が頭の中にずっとこびりついているので、最近はエンジンをかけるたびに心の中って祈っていた。いつ止まるかわからない。冬を越せればOKと言われていたのに、もう夏。

さすがにこんな恐怖を抱えっぱなしの状態がストレスになってきたので、いよいよバッテリー交換をすることにした。知人で車に詳しい人に聞いたらバッテリーくらいなら簡単に交換する事が出来るらしい。そしてネット通販でも売っているので、自分で買って交換した方が俄然安いらしい。ほほぅ。これは良き情報を得たり。

となれば行動するのみ。早速Amazonでバッテリーを購入。2日ほどで届いたので交換作業を行うことにした。具体的な交換方法はYouTubeで整備士さんが解説している動画を見て学習済みだ。しかし最近はなんでもYouTubeを介してプロの方に教えてもらう事が出来て凄いですね。

師匠(YouTubeの整備士さん)に教わった通りの手順で作業を進める。外は暑く汗だくになりながらの交換。腕を伝う汗、汚れた軍手、丁寧にレンチでボルトを回す。あ、いま整備士さんっぽい。と、ぼんやり思いながら進めること約15分。スムーズに作業は完了。緊張しながら鍵を回すと無事にキュルルでエンジンオン。グランドコントロールからメイジャートムに報告したい気分だ。

バッテリー交換が無事に出来て、僕の心からは恐怖心とストレスが取り除かれた。そして、それらが消えた心のスペースには嬉しさが生まれた。初めて自分で車のバッテリー交換が出来た嬉しさだ。この感覚は久しぶりに味わうものだった。

子供の頃に初めて補助輪なしで自転車が乗れた時、逆上がりが出来た時、ギターコードのFが弾けた時、一人で海外に行った時。初めての事が出来た嬉しさはそのまま自信になる。また一つ出来る事が増えた喜び、自分の可能性が少し広がった喜び。

この初めての事が出来るようになる喜びは一生あるものだろう。これが無くなる事なんて無い。そしてこの喜びがあるからこそ、人は人生を楽しみ、前に進んでいけるのじゃないだろうか。僕は出来る事ばかりをやっていると退屈でどうにかなってしまう。あ、それだ最近の心の停滞感。

心が退屈になってしまったら、新しい事をやってみればいい。難しい事じゃ無くてもいい。ほんの小さな事でも、初めての事は何だって楽しい。


#エッセイ #コラム #考え方

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