Generative AIの動向 by 木之村美穂氏
先日渋谷パルコにて、とても刺激的でおもしろいエキジビジョンがありました。
「NFFT2023 Generative AI x Fashion展」
スタッフが旧知のクリエイティブディレクター、木之村美穂さんキュレーションによるNFFT2023 NEW FUTURE FASHION X TECHNOLOGY展です。
世界トップレベルのAI Fashion Creator 21名による、Generative AIを使った作品がデジタルモニターでディスプレイされています。
普段からファッション撮影やデザインに明けくれるアートディレクターと行きましたが、
「これらのモデルは実在せず、このファッションもヘアメイクもAI生成、撮影もライティングもしていなくて、このクオリティ…。一体この作品をつくるのにどのぐらいかかるんだろう…。」
と感嘆してしまいました。
美穂さんに後で聞いてみたところ
「この一枚を出力するのに50枚以上も出力してるし、これだ、って選んだものをさらにレタッチかけてるから、ものすごい時間がかかってる。撮影の方がむしろ楽w」とのこと。
魔法の呪文=プロンプトで「エイっ!!」と簡単に出てくるわけではないのですね笑。当たり前か。
プロンプトもすんごい長いそうだし、
そもそもこの肌やメイクの質感や、ファッションアイテムの素材感、あとライティング、本当にクオリティが高い!
やはり今回作品を出している「世界トップレベルのAI Fashion Creator」とは、本職でフォトグラファー、スタイリスト、デザイナー、ヘアメイク、クリエイティブディレクター、アートディレクターなどだとのこと。
そりゃそうですね。実際のファッションやビューティの撮影をしていないとこういった生成AIの元となるプロンプトが書けないです。
ちなみに参加クリエイターたちはどんなところの方達かというと、
New York ・Los Angeles ・ Portland ・ Mexico ・ Brazil ・ Argentina ・ Italy ・ Netherlands ・ Spain ・ Barcelona ・ London ・ 東京 です。
分かるように、リサーチ段階でアジアでは全然いなかったそうです。南米が多いのも意外な感じでおもしろいです。
それから、
AIビジュアルから実際の洋服やバッグをつくり出すフィジタルPhygital作品も会場で発表されていました。(注:Phygitalとは、フィジカルとデジタルを結びつけた新しい言葉)
これも新しい流れですよね。
今後はAIビジュアルからファッションアイテムやアクセサリーだったりが生まれてくるのです。
という訳で、
Generative AIの動向を感じとったひと時でした。
ちなみに「最新動向」とは言えないのです。発した瞬間から古くなり、速いスピードでどんどん変化していくのです。
まとめ
後日美穂さんに改めていろいろ取材してみました。
ちなみに美穂さんはアメリカLA在住なので、アメリカの状況を分かった上で、日本の動きをかなり俯瞰で見ているので、そういった意味でもお話聞くのはとても勉強になります。
●NFTという言葉をもう古く感じてる人が多い(NFTという言葉をなるべく使わない傾向が海外ではでてきている)
●Generative AIは今は面白がられて盛り上がっている(けれど、今後はもちろん分からない)
●Generative AIの質も、人がつくるプロンプト次第なので、結局はその人のセンスや言語能力みたいなところが大事
●一周回ってフィジカルの価値が改めて見直されている
とのことでした。
あとアメリカの状況として、
Generative AIでつくる広告やコマーシャルもどんどん出てきているとのこと。
しばらくは話題になっても、そのうち視聴者にはもう違いも分からなくなる程になるのでしょうか。
「どうやって撮ってるのかと思ったら全部Generative AIだった」みたいな。
日本も追っかけそういう状況が近づいているような気がします。
楽しみですね。
最後に美穂さん情報
木之村美穂さん(STUDIO DOG GK)
クリエイティブディレクター
事業内容: 広告映像プロダクション 、AI x Fashion 企画デザインプロデュース、Web 3.0 企画ディレクション、海外クリエーターキャスティング、海外撮影プロデュース
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