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デジタルプロダクト開発に終わりはあるのか?
こんにちは。Co-Liftのミドリです。
今日は「デジタルプロダクト開発に終わりはあるのか?」という話をしたいと思います。
最初に結論から言ってしまうと、「(ごく一部の例外を除いて)デジタルプロダクト開発に終わりはない」と考えています。
例えば、新しくパンのサブスクサービス(定期購入サービス)を立ち上げるとしましょう。
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ビジネス要件として、最初に以下の要件を決めたとします。
<最初に決めたビジネス要件>
・月一回2,980円のサブスク(初回1,000円OFF)
・冷凍でお届け。食べる前にトースターで焼くだけで焼きたてのような美味しさのパン
・お届けするパンの種類は「おまかせ便」1つのみ
・ネイティブアプリ(スマホのAndroidアプリやi OSアプリ)は作らず、まずはウェブサービスで展開
・コードが書けないので、ウェブサイトはNoCodeツール(Shopifyなど)で作る
ちゃんとウェブサイトも作って、資金調達も完了し、いざ販売開始!!!
![](https://assets.st-note.com/img/1706490754748-B8yqWJA1eU.jpg?width=800)
最初のうちは、新規顧客獲得のためのキャンペーン費用がかさみ、なかなか利益を出せなかったが、徐々に軌道に乗ってきた(としましょう)。
お客様からは、日々さまざまな要望や意見をいただき、そろそろ次の展開も考えたくなってきたとしたら・・・?例えば、選択できるプランの増強や、決済方法の拡充、ECモールとの連携をしたくなったら?
もしくは逆に、仮説通りにはいかず、方向転換を余儀なくされたら?
パンサブスクはパン好きな人をターゲットとしていたけど、そもそもパン好きな人って決まったお店で買うよりも、いろんなパン屋を巡って一番を探したいというニーズの方が強く、リピーターとして根付かなかった。
そんなこともあり得ますよね。そしたら、サブスクというサービスのコア部分から変えなければいけないかもしれないのです。
このように最初に描いていた仮説は、仮説でしかなく、思い通りに行かないことが大半です。例えば、マーケティング4PをPhaseに分けて真面目に考え出して、「Phase3のプロモーション費用はどうしようかしら…」とか「フードデリバリーの需要はあるのかしら…」とか色々考えてみたけど、先程の失敗例のようにProductの設定そのものが間違えていたら。
「あの時あんなに悩んでたのは何だったんかい!」ってなりますよね。
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サービスを世に出すことは1つのマイルストーンではありますが、ゴールではないんですよね。いや、むしろ世に出してからのほうが大変なことの方が多い。
正解は誰にも分かりません。だからゴールも決められない(「年商XX千万円達成!」みたいなのはゴールではなく、マイルストーン)。どんなサービス/プロダクトであっても、計画通りに進められるようなことはまず皆無で、試行錯誤を繰り返しながら進めていくのです。
「終わりのない課題」=「オープン・エンド」
さて、Co-Liftではこのような、事前に正解が分からず、あらかじめゴールを定義できないような終わりなき課題を「オープン・エンド」な課題と呼んでいます。
■Open-end(オープン・エンド)とは
プロダクト開発において、終わりのない課題をオープン・エンドと呼ぶ。オープン・エンドな課題に対する正解は、事業者にも顧客にも誰にも分からないため、事業者は仮説を顧客にぶつけながら改善を重ね、最適化を繰り返していくアプローチを取る。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51660155/picture_pc_5eecc7cdf42268c012103c429a31e418.png?width=800)
オープン・エンドな課題に取り組むに当たって、まずやらなければならないのが仮説を立てることです。
例えば、先程のパンサブスクの例で言うと、「月額2,980円(≒1日100円)を払って、毎日美味しいパンを食べたいユーザーがたくさんいる」というのがサービス開始時の仮説です。
こうした仮説をもとに、プロダクトを作って市場に問い、その結果から仮説を検証していくサイクルを、何度も何度も繰り返すのです。
新規事業開発はすべてオープン・エンドであると捉えています。正解は事前に明確には判らないけれども、調査や分析を通して得られた仮説をもとに、いち早く市場にプロダクトを投入して、顧客にフィードバックを得ながら改善を続けていくことが重要です。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51655525/picture_pc_f7b40ceeebe8bc38ccb276ccc56551ac.png?width=800)
一方で、事前に正解が明確に定義でき、ゴールがあらかじめ設定できるような課題のことを「クローズド・エンド」としています。
もう少し詳しく紐解いていきましょう。
「クローズド・エンド」な課題とは
■Closed-end(クローズド・エンド)とは
プロダクト開発における課題の捉え方の一つ。企業のHPや基幹システムなど、事前に完成形がはっきりと分かっており、顧客の要件が大きく変化しないため、事前の緻密な計画立案が可能な場合を指す。
ゴールがはっきりとしているため、ゴールから逆算して納期通り・要件通りに完成出来るようアプローチしていく。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/51655750/picture_pc_908a4555c20accfcf8bf25f1dc101d02.png?width=800)
ちょうど良い例としては・・・
現在、Co-LiftのHP刷新に取り組んでいるのですが、
・作るべきものが事前にはっきりと定義出来る(概要とサービス紹介と問い合わせフォームなど)
・作るべきものを作ったら、その後は運用保守だけ
・作るべきものは大きく変化しない
という状況なので、これはクローズド・エンドな課題と言えます。
他にも、基幹業務システムや社内向けの業務システムなども、事前に正解(システムで実現したい業務)が定義しやすく、作った後で顧客の要求は大きく変化しにくいため、クローズド・エンドな課題と言えます。
課題によって、マッチする開発手法も違う
今日は、パンサブスクなどを例に、デジタルプロダクトの課題の捉え方についてお伝えしました。
実はこの課題の捉え方をきちんと理解しないと、ソフトウェア開発手法である「アジャイル」や「ウォーターフォール」についても誤解が生じることがあります。
次回はこの「アジャイル」と「ウォーターフォール」について、それぞれの違いなども含めてご説明したいと思います。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/53291488/picture_pc_224616123ff3b37ac7ef43c8a0539447.jpg?width=800)
ちなみに、パンサブスクは立ち上げる予定はありません。パンは作る派ではなく、食べる派です。
以前パン焼き器を買い、レシピ通りに作ったのですが、「外は岩、中は消しゴム」というバケモノを生み出したことがあります。それ以来怖くてパンは焼いておりません。リアルにホコリ被ってますが、メーカーさんは悪くありません。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございました!
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