見出し画像

スポーツとトランスジェンダー②

 なんとなーく『スポーツとトランスジェンダー』の続き。前回は「大会ごとの『ポリシー』によりMtFの扱いが様々に設定されるようになる」という結論に落ち着いたが、少し修正を加えようと思う。

 端的に言えば「時間はかかるものの、スポーツ会全体がMtFを『女性』として扱う方向に定まるのでは」という考えだ。

 暫くのうちは、それこそ大会ごとに様々なポリシーで揺らぐだろう。だが得てして常識というのは一つのところに落ち着くものだ。今でこそMtFがスポーツに絡めば「不平等」「MtFだから有利」「MtFだから優勝できた」などと言われるが、恐らくこれは一時のものだと思われる。前回書いた通りそもそも才能というのは不平等なものなのだ。第一、ある程度長くMtFとして生きていれば男性としての肉体的アドバンテージは確実に失われていく。六年程度ホルモン治療をやれば、生まれつきの女性との差は、精々骨格が少し違うくらいだ。そう極端な格差にはならない。

 思い返してみれば昔は「黒人を日本の大会に出すのは卑怯」とか「国技なのだから相撲は日本人だけでとらせろ」とか言う人が結構いた気がする。でも最近じゃ高校駅伝で普通に黒人選手が活躍しているし外国人相撲取りが土俵に上がることを咎める輩は(昔ほどは)いない。現代でそんなことを言えば老害扱いされることだろう。そんな感じで、徐々にMtFはスポーツ会でそう珍しい存在ではなくなるのではないかと思うのだ。

 とは言え「私は女性だ」と宣言すれば誰でも女性として大会に参加できる、なんてことになれば、色々混乱は免れない。少なくとも一定期間のホルモン治療と、実際に女性として生きているという実績は必要だろう。身体の細胞が入れ替わる周期とスポーツ選手としての寿命から考えて三年程度が妥当な筋か。

 まあ、少なくともMtFだからとスポーツ会から排斥されるなんてことはまず有り得ないと思う。区別だの不平等だの騒いでる連中は、そのうち確実に老害認定されるだろうね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?