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データの増加と複雑さを解消するには?

データが増えれば増えるほど、複雑化する問題に直面する企業が多くなります。本記事では、データ活用をしたいと思う方に、データの複雑化に伴う課題と解決への道筋を紹介します。データ活用、データドリブン、DX、データ分析の基本をHEARTCOUNT AnalyticsのオフィシャルパートナーであるCOKOOZ合同会社の東(あずま)がご説明します。


データ活用の複雑さとは?

データが増加すると、管理や活用が複雑になるのは避けられません。この記事では、多くの企業がビッグデータに取り組む際に直面する問題と、その解決策を考えてみましょう。

では、なぜ複雑になってしまうのでしょうか?それはデータを生成するタイミングの目的と、活用するタイミングでの目的が異なっているからです。
データ生成は、大抵、モノを作ったり、売買したり、生産をしたりするときの状況を正確に表すためにデータが発生します。ただこのデータは分析やマーケティングに最適化するために生成されているわけではありません。

ある意味、たまたま、大量発生してしまったデータを他の用途に使おうとしているわけです。この大きなギャップがデータの複雑さや活用の難しさを生み出していると言えるでしょう。ただ、それはどの企業も同じであり、努力や工夫によって乗り越えられるので、そこは頑張っていく必要があります。

データ増加の影響

データが増えること自体は有益です。情報量が増えるということはビジネスに役立つヒントも増えます。またWeb、スマホ、アプリ、DX、クラウド、、、など、大量にデータを生成するようなテクノロジーがどんどん増えてきており、これによってデータボリュームは大量になりましたが、かなり乱雑でまとまりがないのも事実です。

そのため、同時に以下のような問題も引き起こします。

  • テクノロジーとインフラの複雑化:
    多くのツールやシステムを導入すると、技術的な複雑さが増し、コストも膨大になります。効率的な構造を目指すことが重要です。

  • データの断絶:
    各部門が独自にデータを管理すると、情報の断絶が生じ、データの品質が低下します。全社的なデータガバナンスが必要です。

  • ガイドラインの不足:
    データの作成や活用に関する明確なガイドラインがないと、データ活用が進まず、結果的に組織の質が低下します。

結局、このような課題を放置して莫大なデータを集めても意味がありません。ですので、まずはスモールに目的に合ったデータを対象にしていくという方法が現実的でしょう。

人と組織の複雑化にどう対応するか

データチームは異なる背景を持つステークホルダーと連携しなければならないため、以下の課題に直面することが多いです。結局のところ、データ分析の結果を使うのも人であり、その判断をするのも人であり、邪魔をするのも人です。
データ分析は高度で発表資料が立派でも、そのあと誰も何もその結果を使ってアクションを起こさなければ無意味です。
そのため、データとそのデータ分析の結果は組織を動かし、人に「やってみよう」と思わせる結果でなくてはなりません。

一般的に、どのような課題が多いのでしょうか?

ITとビジネスの連携不足

IT部門とビジネス部門は異なる目的と責任を持つことが多く、これがデータ活用の障害となることがあります。

  • ITとデータ管理機能の不足:
    データガバナンスやメタデータ管理がうまく機能しないことで、データの質が低下し、結果的にビジネスに悪影響を与える可能性があります。

  • データ品質に関する不明瞭な所有権:
    データの品質や所有権が不明確なまま放置されると、データの価値が損なわれるだけでなく、組織全体の信頼性も低下します。

  • 組織がデータを信頼しない:
    データドリブンな意思決定を目指す企業が増えていますが、直感と異なる結果に対して懐疑的になると、データ活用が進みません。

これは「自分の仕事ではない」「よくわからない」「データが信じられない」という状況も多くなります。この場合はトップ・上層部からの理解と積極的な働きかけ(「命令ではなく後押し」)が重要となります。

データ品質とその管理

データ品質の問題は、データの信頼性を損なうだけでなく、組織の意思決定にも悪影響を及ぼします。

  • データ品質の問題が頻発:
    データの管理が複雑すぎて、信頼できるデータが手に入らない状況です。

  • 同じデータの複数バージョン:
    複数のデータソースを使用することで、同じデータに異なるバージョンが存在することがあります。これにより、意思決定の基盤が揺らぐ可能性があります。

データの複雑化を軽減するためのアプローチ

複雑なデータ環境を管理し、効果的に活用するためには、以下のアプローチが必要となります。そもそも「データ分析なんて信用できない」という状況では何をやっても無駄ですし、データサイエンティストがデータドリブンで、ファクトベースに出してきた結果も上層部が「何もわかってない」と一蹴しては意味がありません。

人と文化

データ主導の文化を育成するためには、トップマネジメントが率先してデータ活用を推進することが重要です。「Think Big, Start Small」を実践し、少しずつ改善を積み重ねることで信頼と自信を築いていきましょう。

プロセス

複雑なデータ環境を一気に刷新するのではなく、段階的に改善を行うことが重要です。定期的にデータの見直しと改善を行い、適切なバランスで進めていきましょう。

テクノロジー

ソリューションやツールの導入に際しては、ROIを考慮し、データの可視化を活用してデータ活用の状況を把握することが大切です。品質、活用度、コストのバランスを意識しましょう。

上記のような課題の背景は、「社内のデータを全て蓄積し、AIを促進するデータ基盤を作る」というプロジェクトを推し進めて成功している会社をほとんど見たことがないからです。それより、目指す姿に向けて、徐々に追加していくという方が成功しているように見えます。

テクノロジーの進化も激しく、状況の変化も激しく、特に重要なのは、人の成長に時間がかかります。知識と経験の良いバランスの獲得です。人の成長は確信・自信・信頼に繋がります。外部のベンダーやコンサルが来ても、なかなか進まないのは、「確信・自信・信頼」の醸成が終わってないからです。その点も注意しつつ、行っていくのが良いでしょう。

結論: データの複雑化を乗り越え、データドリブンな意思決定へ

データの複雑化は避けられない課題ですが、効果的な管理と戦略により、企業はデータから最大の価値を引き出すことができます。データ活用において重要なのは、目的を明確にし、戦略的にデータを管理・活用することです。

無秩序にデータを集めるのではなく、必要なデータを効果的に活用できる環境を整備しましょう。データドリブンな意思決定が、企業の成功を導く鍵となるのです。

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