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「評価経済」と「態度経済」

コロナもやばいが暑さもやばい。
そして生活もやばい。

先日、雇用保険の手続きにハローワークに行ってきた。
窓口開いたばかりくらいの時間でしたが待合の席は埋まり、立って順番を待っている人が溢れている状態。これみんな失業者か。

連日、感染者が何人、重傷者が何人、とニュースが流れ続けている。
もはやお決まりの感があって聞く側の危機感も飽和状態で
「なんかもううるさい。熱中症の方が死んでるじゃん」
みたいになってきてるんじゃなかろうか。

テレビではニュースの視点があまりにも一面的で、情報収集にネットとかSNSの方を重視してる人も多いと思う。まだまだ圧倒的に既存メディアの力が優勢だろうけれども、じわじわとその力関係は変わっていくだろう。
硬直的な報道姿勢に嫌気が差したユーザーがネット上の情報に活路を探していけば、その変化をさらに加速させるかもしれない。

SNSの話題で、Twitterで物々交換する農家の話があった。
飲食店への供給が滞ったせいで作物があまって困っていたところ、遠く離れた土地の農家とお互いに余った作物を交換するという話がまとまったというのだ。仲介者が誰もいないところが面白い。
地味な話題かもしれないが、これは新たな経済活動になる可能性がある。
相互フォローしたり同業者のリストを作っておけば、仲介者は今後不要になる。遠く離れた見ず知らずの人と貨幣を介さない取引。もしかしたら作物同士ではなくても成立するかもしれない。当人同士が妥当と思えばそれでOKっていう。


そういえば岡田斗司夫が「評価経済社会」ということを10年くらい前から言っていたよな、と思いたち探してみると『評価経済社会』とうまんまの本を出していた。これが読み始めたら止まらなくなって読み耽ってしまった。

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ちなみに『評価経済社会』はKindle Unlimited対象なのでお試し期間で読めました。ただで読めたw(2020年8月22日現在)

岡田斗司夫さんは「オタキング」の愛称でも呼ばれているが、ほんと、キングですわ。
『評価経済社会』は2013年出版の本だけど、めちゃくちゃ「今」に突き刺さる内容です。さすがにコロナの予測なんか出来はしないけれど、コロナ禍で加速されて行きそうなあれこれが既にこの本で分析されており、これからどうなっていくかその姿として「評価経済社会」を予測している。

最近のインフルエンサービジネス(すでに下火?)とかSNS運用のあり方とか、ほとんど完璧に当てはまっていて頷けるところ多し。
国同士の戦争は起きにくくなっている、というところには多少怪しげな空気の昨今ですが……

この『評価経済社会』を読んでいて頭に浮かんできたのが坂口恭平の『独立国家のつくりかた』だった。こちらは2012年出版の本で、『評価経済社会』と時期が近い。

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『独立国家のつくりかた』の中で、坂口恭平は「態度経済」という言葉を使っている。たとえ些細なことでも個人が小さな才能を発揮する、発揮しあうことで需要と供給が成立する。そんな社会のことだと僕は捉えた。その才能に向かう姿勢が「態度」ということだ。人生への態度。

この二つの本を僕はなぜかどちらとも今になって読んだのだけれど、ふたりの著者は実は同じことを言っているのではないかと。しかし立ち位置が全然違うので、一見そうは見えない。
その違いを表現するなら、

歴史と概念から語るマクロの「評価経済」
個人の視点から発するミクロの「態度経済」

ということになる。
コロナ禍がなかなか収束していかないとなると、この新しい形の経済観念がもっとすすんでいくんじゃないかなあ、と無職ながら思った次第。
こんな視点で読み比べてみる読書も面白いです。

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