緑内障に「関係ない」はない!あなたにこそ気づいてほしい、「緑内障」の足音 part2
「緑内障」は、自覚症状がない!?
前回の記事では、
「緑内障」を自分ごととして考えてほしい、ということを書きました。
「緑内障」だと診断された人で、「緑内障かもしれないから眼科に行こう」と思って受診した人は、4.3%だというアンケート結果もご紹介しました。
「緑内障」は、自分で症状を感じにくい病気なのです。
ではなぜ、感じにくいのでしょうか?
ゆっくりゆっくり、視野が欠けていく
「緑内障」は、少しずつ視野の中に見えない部分ができてくる病気です。
こんなふうに、症状が進むにつれて見えない部分が増えてきます。
見えない部分が増えたらすぐに気が付きそうなものですが、人間の眼は高性能なので、ちょっと見えない部分があるくらいであれば、脳が勝手に風景を補完して、あたかも見えているような映像にしてしまうのです。
しかも少しずつ進行してくるので、見えないことに気付きにくい。
「なんだか目が疲れるな」
「視力が落ちたみたい」
と思ったら、実は「緑内障」でした!なんてことも多いんです。
難しいセルフチェック
このように、「緑内障」は自分で見つけるのがとても難しい病気です。
早期発見するには、できれば定期的に眼科に行くのが一番なのですが、そうは言っても忙しくて…という方に向けたセルフチェックがあります。
視野の欠けがないかをチェックできるサイトです。
試しにチャレンジしてみるのはおすすめですが、セルフチェックで問題がないからと言って、安心というわけではないので、過信しすぎないようにしてくださいね。
病院では、どんな検査をするの?
「緑内障」の検査は、特に難しいものではありません。
まず、通常の視力検査、眼圧検査などで異常がないかチェックし、ちょっと気になるな、となった場合、眼底写真や視野検査をします。
(眼圧検査は、機械をのぞき込むとシュッと風を当てられる検査ですね)
人間ドックや健康診断のオプション項目に、これらの検査がある場合もありますので、見つけたらチェックしてみてください。
眼も体の一部!生活習慣が「緑内障」の進行を抑制!?
そうは言っても、そもそも緑内障になるのはイヤですよね。
自分でできることはないの?と思った方に朗報です。
最近、健康的な食事や運動習慣が、緑内障の進行を抑制するのではないかという研究結果が出てきました。
ザクっと言うと、
酸化ストレスが高まると、「緑内障」が進みやすくなる
という研究結果です。
酸化ストレスとは、活性酸素が過剰になってバランスが崩れた状態のこと。たばこや脂っこいものが多い食事などによって引き起こされるものです。
眼は眼、体は体、というイメージが強い人が多いかもしれませんが、眼も体の一部。
肥満を防ぎ、食事やお酒に気を付け、タバコを控える健康的な生活をすると、眼も健康になるんです。
無呼吸症候群の人の20%が「緑内障」を発症している
というデータもあります。毎日、健康な生活を送れるように心がけてほしいと思います。
「健康的な生活」と「定期的な眼の検査」を。
「緑内障」に少し詳しくなれましたか?
「他人事じゃないな」という気持ちになっていただけたでしょうか。
だからといって、「緑内障」をむやみに怖がる必要はありません。
早期発見して、的確な治療さえ行えば、失明や病気の進行を抑えることができます。
ぜひ、あなたの生活の中に、眼の検査をする習慣を取り入れてください。気軽に眼科と付き合っていただいて、健康な眼を長く保ってくださいね。
監修:東北大学COI-NEXT「VISION TO CONNECT拠点」
執筆:沼田佐和子
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