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時価総額10兆円のビジネスモデル【6】取引プラットフォーム「Coinbase」と「Coinbaseプロ」ーー4月14日上場へ

  コインベースは4月1日、米ナスダック市場に14日に直接上場すると発表しました。ティッカーシンボルは「Coin」です。また、6日午後に21年第1四半期の業績、21年の見通しを公表する見通しです。

  さて、コインベースは世界32か国でビットコインなどデジタルアセットのオンライン取引プラットフォーム「Coinbase」「CoinbasePro 」を提供しています。前者は販売所、後者は取引所と捉えるとよいでしょう。特に、シンプルなユーザーインターフェース(UI)をもつ「Coinbase」は米で最も人気がある取引プラットフォームで、20年12月にはAppleのAppStore(無料アプリ)でトップ10(※1)入りしました。Z世代(※2)中心に広く受け入れられている様子がうかがえます。

 Coinbase

 「Coinbase」は①初心者に優しいシンプルなUI(Easy-to-Use Interface)②米ドル、ユーロ、英ポンドなどの法定通貨で購入可能③多様な口座への資金振り込み手段の提供(銀行振り込み、デビットカード・クレジットカード、PayPalなどが利用できます)④アルトコインの購入・売却機会の提供ーーなどに競争力があると言われています。投資家はこのプラットフォームを通じて簡単に仮想通貨を買ったり、売ったりすることができます。 ただ、最近米国ではスマホ証券のRobinhood、決済サービスのSquare、PayPalなども仮想通貨サービスの提供を開始、米ICE傘下で近くSPAC(特別買収目的会社)を利用してNYSE上場を計画する仮想通貨取引所、bakktも個人向けアプリの提供を計画しています。今後、個人向け市場は競争が激しくなることが見込まれます。

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 CoinbasePro

 「CoinbasePro 」は売り手・買い手をマッチングする取引プラットフォームで、より頻繁に仮想通貨を取引する投資家向けに用意されています。①信用取引②売り板・買い板など注文の板情報③チャート④指値・逆指値注文ーー等が用意されており、よりプロフェッショナル向け投資家向けと位置付けられています。また、「Coinbase」と比較して、手数料は低めに抑えられています。

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 手数料

 いずれのサービスもキャッシュポイントはスプレッドと各種手数料です。   「Coinbase」の場合は①スプレッド(基本0.50%)と②CoinbaseFeeーーの二本建て。振り込みに関しては、次の手数料がかかります。

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 「CoinbasePro」は30日間の取引量(米ドルベース)によって手数料が変わってきます。また、デジタルアセットとACH transfersはデポジット・引き出し共に無料、Wire Transferはデポジットに10㌦、引き出しに25㌦という体系になっています。

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 また、同社は機関投資家が仮想通貨市場へ参加するための「ワンストップサービス」を提供しています。 

 ちなみに、Coinbaseは日本法人を設立し日本市場へ進出していますが、3月7日現在、残念ながら個人向けのサービスは提供していません。日本は規制が厳しく一種の参入障壁になっている可能性がありますが、日本市場へ参入すれば各社がユーザビリティなどを競う結果、個人投資家の利便性が高まることが期待されます。


※1.Coinbase has entered the top 10 ranking of free apps on Apple's U.S. mobile store.
 Live ranking of the free apps on Apple's App Store in the U.S. shows Coinbase ranks the 4th as of Friday, following Robinhood, Webull and Reddit while ahead of TikTok, Cash App and Zoom.(Jan 29,2021)

※2.GenZ、1996年から2012年に生まれた世代で米総消費の40%を占める

※3. TakerとMakerの定義は次の通りです。

"The maker is the person that offers liquidity and sets the price and the taker is the person that buys or sells at that price. " by  Investopedia

※4.Fee一覧はInvestopediaより引用。


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