見出し画像

【人間編】元千葉県民が大阪に3年住んでわかったこと

生まれは東京、育ちは千葉。四半世紀以上も関東平野から出たことのない私だったが、とある事情で3年前に大阪に引っ越すことになった。
住み慣れた関東を離れるなんて、それも自分と真逆のカルチャーを持つ(と思われる)大阪に行くなんて、前代未聞のチャレンジであった。チーバくんの国を飛び出して、食い倒れの国に飛び込んで3年を過ごしてきた私なりの気づきを、「食べ物編」「地理編」「言葉編」「人間編」に分けて、綴っていきたいと思う。
今回は「人間編」!


見ず知らずの人にも100%で来る

こちらに来てすぐの頃、通勤にバスを使っていた。通勤ラッシュの時間帯ではなかったため、乗客は私だけ。4列シートの車内を見渡して、前から4番目くらいの席に座った。運転手のおっちゃんとはほどよい距離感。発車まであと5分程、のときに、運転席からおっちゃんが話しかけてきた。一語一句は記憶していないが、「なかなかコロナが収まらないね」という内容の世間話だったと思う。

「そうですね、外出もしにくいですよね」

これで終わるかと思った。

「だからな、キャンプを始めようと思ってん」

広げてきたー!
わかるわかる、キャンプ流行りましたよね。うちもにわかキャンパーなので。

「だからAmazonでな、キャンプ道具買ってんけど、購入ボタンを2回押してもうて、同じテントが二つ届いてん」

知らんがな。

その後も運転中に身の上話(東京に娘さんがいる、お出汁は関東より関西の方が断然美味しい、などなど)を到着するまで延々としてくれた。あまり気のない反応も失礼かなと思い、4列目の席から相槌を打っていた。微妙な距離感のため、まあまあ声を張らなければならず、4列目を選んで座った自分を少し呪った。(かと言って席を移動するつもりもない)賞味15分くらいのバス移動だったが、なんだか変な意味で疲れた。

目的地に到着して、「ようやく解放される…」と思いながら降りようとする私に、「ほな、これ持ってき!」とおっちゃんから手渡されたのはチョコパイの個包装


これです。このサイズ。

「嘘やん…」

リュックを背負っているから、すぐにはしまえない。バスを降りたら職場は目の前。とりあえず受け取って片手にチョコパイを握りしめたまま出勤することにした。おかしな人だと思われたらどうしようと思ったが、新しい職場の人と会話のネタになったので、結果オーライ。

驚いた出来事だったけど、おっちゃんは終始優しくて、慣れない土地に来た私の緊張を、心地よい空気の読めなさでほぐしてくれた。タイプは違えど、こちらにはよそから来た人に優しい人が多い気がする。あのおっちゃん、まだバスの運転手やってるのかな。

以上、人間編でした。次回は「まとめ」!

この記事が参加している募集

#ふるさとを語ろう

13,642件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?