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夢とか将来とか

あるところに、ひとりの男の子がいました。
高校を卒業したら音楽スクールに通って、将来はミュージシャンになりたいと思っていました。
そんなのできっこない、とお母さんは反対しました。お父さんも、そんな甘い世界じゃないんだ、と反対しました。

一見すると、これって、息子の将来を案じている親心に見えるかもしれません。
世間の厳しさを教えている図に見えるかもしれません。

でも、実は、これはご両親の限界を示しているのです。お父さんも、お母さんも、自分がミュージシャンになれるか⋯と置き換えて、「自分にはできない」と結論づけて、それを息子さんの将来に投影しているのです。

普通の親なら、頑張りたい息子を応援するし、もし息子が違う道に進んでも、やはり応援するものです。

親に反対されて、道を諦めたひとは、自分が親になったとき、同じように子どもを『否定』するひとになる可能性が高いです。


私の妹の旦那さんが、「飲食店をやりたい」とずっと夢見ていました。いろんなお店で働きながら「いつか、自分の店を持ちたい」と。
妻である妹は、「できないし、無理だと思う」と言いました。母も、「やめた方がいい」と言いました。
賛成して「応援しようよ」と言ったのは私だけでした。
妹は人付き合いができなくて、旦那さんがお店とかやったら、お店の関係者やお客さんに対応しなければならなくなるのがそもそも嫌だったのです。
つまり、賛成するとかしないとか以前に、自分が関わりたくなかったのです。
母は、常に否定から物事を見るひとでした。賛成をするなんて、あるわけがないのです。
(否定から入るひとは、否定する自分を肯定しているので、自分が否定していることに気づきにくいです)

接客業をしていた私は、この母娘では無理だろうな、と思いました。
もし、私が嫁だったら、お店のレイアウトを考え、メニューを作り、お店の大家さんやオーナーさんに挨拶に行って関係を良好にして、従業員さんとも仲良くして、SNSでアピールして、チラシを作り、配って宣伝するだろうな、と思いました。
一緒に厨房に入れなくても、できることは山ほどあるのです。
実際に妹の旦那さんのお料理は美味しかったし、充分勝負できると私は思っていました。

数年後、妹の旦那さんはお店を始めましたが、妹は何もせず、手伝いもせず、家に引きこもっていました。
そして、次第に、旦那さんと妹は上手くいかなくなっていきました。


何かをしたい場合、たとえ親と言えども、パートナーでも、『批判』や『否定』から入るひととは、距離を置いた方が良いです。
もちろん、否定や批判を一度聞いてみて、判断材料にするのは良いと思います。

でも、あなたに必要なのは、どんなときも応援してくれるひとで、どんなあなたも受け容れてくれるひとです。そして共に歩んでくれるひと。
逆風を吹かせるようなひとは、要らないのね。


もし、誰かが、何かを目指していたら、応援してあげてください。
背中を押してあげられるひとであってください。
勇気を持って踏み出すひとを、温かく、強く、支えてあげてください。
それがあなたのお子さんだったら、尚のこと。
くれぐれも、芽を摘んだりしないように、してあげてくださいね。


読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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