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浸透した言葉

私が考えて、使い出して、世の中に浸透して行ったワードが2つあります。
浸透させようなんて意図してなかったんだけど、なんか広まっちゃったの、不思議な感覚です。


ひとつは、『マグロ』です。
使いだしたのは20歳くらいの頃からです。

セックスのとき、なーんも男性に奉仕もせず、寝たままの女子いるよね。
魚市場でゴロンって並んでるマグロみたい。
何にもしないオンナって何なんだろうね。
っていう説明をして、それは電車のなかでのことだったんだけど、周りはなかなかにシンとして、でも数人の同世代の男子たちが、ニヤけてこちらを見ていて、「あ、このひとたち使うだろうな」と思いました。

数年後、某漫画で、「こいつ、マグロのくせに」という台詞と、私が描いた通り、言った通りの注釈が付けられていて、 その漫画で改めて広められた感じです。
兄が読んでいた青年誌の、私も好きだった漫画だったので、「わぁ〜使われてる」と普通に嬉しかったです。


もうひとつは、「オール」です。
オールナイトの略ですね。
私は学生時代、心理学科で、毎日毎日何かしらの実験があり、そのレポートを上げるのが日課でした。
通学が片道2時間かかっていたため、寝る時間を削って書いていたのです。朝も早く出なければならなかったので、徹夜続きでした。
この頃は言葉に出さず、「 またオールだ」と心のなかで呟いていただけでした。

大人になって、職場の女の子が、クラブによく通っていました。クラブでの体験談もよく聞きました。
そんななかで、彼女が「眠くて〜」と言ったので、「なに、またオール?」と私が尋ねました。
察しの良い彼女はオールナイトの略と気づき「うん、オール!」と元気よく頷きました。
「オール」って響きも気に入ったみたいで、その後の会話も「オール」連発でした。
彼女が広めていくだろうなって思いました。
不思議なもので、そういう、言葉に羽根が生えて飛んでいって広まっていく空気感みたいなのが見えるのです。

「オール」は今の若いひとでも使っているみたいですね。お客さまも使うし、好きなゲーム配信者さんも使っていました。



私自身は、マグロという言葉は使わなくなりました。
理由は、セックスはひとそれぞれ、だからです。


私のなかではちょっと特別なことだったので、今回書いてみました。
言葉って不思議ですね。
浮かんで、馴染んで、ひとの間を漂っていく。




読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。


#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

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