7人の女侍 7話 ”美人で、気立てが良くて、盲目(!)”

私の職場におはします女性事務職7名。

彼女らのことを「7人の女侍」と呼びました。

皆仲良しでチームワーク抜群のようで、実態は一人ひとりが自分の間合いを常に気にしている、孤独な侍のよう。

これまでの日記で3名まで紹介してきましたが、彼女らが個々に抱えた孤独さ・けなげさを感じてもらえたでしょうか。

ただし、仕事において彼女らのパーソナリティが負の方向に発露するとき、そのほとんどは男性社会、及び古い地方中小企業たる私の会社におけるジェンダー問題に起因するのです。


今回も続いて別の方を紹介します。


歳は40代中盤。誰からも”美人”と言われます。

目が大きく涙袋がぷっくりしています。
髪型はナチュラルなストレートでサラサラ。最も男ウケが良いスタイルです。

この時点で、マスク姿が基本装備となっている現在においては、最強に近いビジュアルと言って良いでしょう。

例えるなら、「母親になった橋本環奈」


まさにこのまま年齢を重ねた感じ、というほど似ています。

彼女を、ここではママカンナ、略してマカナと呼んでしまいましょう。
(仙台にマカナというライブハウスありましたが)


こんな最強の顔面を持つマカナですが、身体のスタイルはというと、小柄で幼児体型気味で、お世辞にもメリハリのあるタイプではありません。

能力パラメーターを顔面に全振りしたかのようで、それも橋本環奈と似ているかもしれません。


だいぶ褒めましたが、私の初見では実年齢より5歳くらい上に感じでしまいました。

何か老け込むような心労でもあるのでしょうか。

これから書く内容で、美人が故の気苦労というのも察していただけると思います。


マカナは、「美人」としての振る舞いが完全にできあがっています。

まるで美人という「職業」をこなしているかのようです。

とにかく、男からは誰からでも優しくされる。

そしてそれに応えるかのように、笑顔を振りまく。

横で聞いていると激つまらない話をされていても、笑顔で高らかに声を出して笑っています。

昨夜のお笑い番組のネタでも思い出して無理やり笑っているのでしょうか。

これでは男は勘違いする人もいるでしょう。
しかしそれを意図して誘っているかのようでもあります。

自分に気を持ってもらったほうが生きやすい環境が作れるし、マカナにとってみればそれがいとも簡単にできてしまうからです。

捉え方が穿ってますかね?あまり美人に良いイメージがなくて、すみません。


実は私は、美人社員が多いと名高いJ○Bの社員だったことがあるので、元ミスコン準優勝者みたいな人とも仕事しました。

マカナにはそういう女性と共通した、「自分に自信がある故の余裕」が見られます。


愛想笑いの何が「余裕」なのかと思うでしょうか。無理してるのではないかと。

そのレベルはとっくに超越しています。
無理なく「私のスマイルを分けてあげるわ」っていう感じです。

捉え方が穿ってますかね?あまり美人に良いイメージがなくて、すみません。(2回目)


その一方で、その誘惑の微笑に引っかかった男性には、毅然とした態度を取ります。

一見受け入れられたようで、いざ少し深入りしようとすると、バシッとシャッターを閉められる感じ。

これも美人にありがちです。隙を見せそうで見せない、という。


こうして特徴を挙げていくとまるでキャバ嬢のようですが、決定的に違うのは「男に貸しをつくらない」点。

お菓子をあげたら、必ず何かお返しされる。

コーヒーを1杯おごると、250円くらいのお菓子を返される。

ラーメン一杯なら、500円くらい分のお菓子。


こちらからあげた翌日に、即お返しされます。

しかも、計算したかのように、あげた物の7~8割くらいの価値のものが返却されます。


普通はそうだと思いますが、男性というのは、あげたものはただ受け取ってほしいものです。

ただそのほうが気分が良いだけであり、別に恩を着せたいわけもなく、ましてやお返しものなどで相手に負担を与えたくありません。

しばらく後になって忘れた頃に、誕生日などで何かプレゼントされたりというのなら嬉しいかもしれません。(「忘れた頃に」というのがポイントです)

しかし、あげたすぐ翌日に、もらったものから逆算して金額を合わせこんだかのような、特に思い入れも感じないものが返されたりするとどうでしょうか。

「あのくらいで私に恩を売ったなんて思わないでね」

「でも全額分返すのもおかしいから、2割分だけ甘んじで受け取るわ。」

くらいの感じを受けてしまいます。

捉え方が穿ってますかね?あまり美人に・・・(略)


そんな浅く広く愛想を振りまくマカナは、お返し物の金額の精密さでわかるとおり計算高い人です。

細かいことに気がつくし、人をよく見ています。

私など、スーツにクリーニングのタグをつけっぱなしで何度指摘されたかわかりません。


しかし、そんなに気がつく人のなずなのに、会社にとって大きな問題を引き起こしていることに、どうやら気づいていないようなのです。

それも美人だからゆえなのですが、なぜそこだけ急に盲目になってしまうのか、私は皆目理解できません。


それが何なのか、次回に書きます。


パート2へ続く


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