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研究。

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詩論を中心に独学おじさんの考察あれこれ。
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2020年1月の記事一覧

時間による支配から人類を解放するための第三試論:四季派の詩人たちを例に。

様々な詩論を通して「時間」の束縛から解放される道を探る。戦争に反対する。 1. 竹内勝太郎氏は「詩論一」の中で次のように云っている。 《表現と云うことを取り除けば芸術は成り立たないと一般には考えられているであろう。然し私の詩に要求する処は先ず最初にこの表現の否定でなければならぬ。》(『竹内勝太郎全集』思潮社。第三巻。17頁)。 竹内勝太郎氏が上記の言葉を記したのは1932年9月21日である。 私たちは小学生の頃から美術や音楽の時間に「表現しなさい」と教えられる。また国語の時

時間による支配から人類を解放するための第四試論:分類詩学を構想する。

耳の詩・目の詩 理性の詩・感情の詩 美術系・音楽系 1. 詩は耳にするものか。それとも目にするものか。私たちは文字に書かれたものとして詩を認識しているのではないか。本をパラパラとめくり。行分けされ。余白の多くなっている箇所を見ると。「あっ詩が載っている」と思う。句点や読点がなければなおのこと。つまり形式を見て判断している人が大半を占めるのではないか。これは詩が目にするもの(視覚に訴えるもの)であることをあらわしている。 ところが世の中には詩が音楽に乗って流れている。何気なく

時間による支配から人類を解放するための第五試論:行分けという形式の奥に隠された霊魂について。北園克衛氏の作品を例に。

行分けの意味の転換から見えてくる詩の霊魂。 1. はじめに北園克衛氏の作品を参照する。但し実際は縦書きであったことに注意。北園克衛氏には真に申し訳ないが横書き変換させてもらった。 「単調な空間」    1 白い四角 のなか の白い四角 のなか の黒い四角 のなか の黒い四角 のなか の黄いろい四角 のなか の黄いろい四角 のなか の白い四角 のなか の白い四角    2 白 の中の白 の中の黒 の中の黒 の中の黄 の中の黄 の中の白 の中の白    3 青 の三角 の髭