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アパレルの在庫問題に関して思うこと①

初noteに挑戦!
今年はアドバイスもありアウトプットを増やすべく、仕事のBlogとは別に自身の視点からいろいろと思うところを書いてみることにしました。相変わらずの文章力&不定期更新になると思いますが、よろしくお願いします。

さて、記念すべき第一回目は、ずっと書こう書こうと思っていたアパレルの在庫問題に関する自身の考え、想いに関して。
以前Twitterで@mistertailerさんのツイートにリツイートしてコメントさせて頂いた件です。

その後いろんな人がそれぞれの目線で在庫問題に言及されており、今更私が何か発するのも・・・と思いながらどんどんと時が過ぎてしまいましたが、改めて自分の中の整理とメモを兼ね、少し深掘りしてみようかと思います。

はじめに

まず、私はもともとアパレルの生産管理として長く働いておりました。
同時に社会人大学生としてITと経営を学び、社内システムを構築した後、AIのファッションテックベンチャーへ転職しました。(現在は退職)
その会社ではひとつのプロダクトとして、顧客の購買データ等をAIに学習させてMD業務を補佐するサービスを開発しており、それをアパレル企業様向けにコンサル導入するような仕事をしていました。
アパレルの余剰在庫問題に関していろいろと解決したいと思っていたので、なんて未来があるソリューションなんだろう!と、その時は思っていました。そう、その時は・・・(意味深)

アパレルモノ作りのプロセスを分解して考えてみる

ここでアパレルの企画から販売までのプロセスをざっくり分解してみましょう。

① 企画・デザイン→ ②素材調達→ ③生産→ ④物流・在庫→ ⑤販売→そして①へ戻るという感じでしょうか。
川下であるアパレル企業(ブランド)は図で青くなっている①と④・⑤がメインですよね。
SPA(製造小売業)と言われる企業であっても、②と③は自前ではなく生地や附属の卸会社や商社・OEM等のサプライヤーと連携してモノ作りを行っていることがほとんどです。
アパレル企業は毎シーズン売れそうなものやそのブランドらしいものを企画し、生産を外部に委託、納品されたものを販売、その結果をまた企画へと活かすという流れが主流ではないでしょうか。(最近はODM企業に依存して企画力が弱体化しているという声も聞きますが、、、)

私が担当していたAIプロダクトは、このプロセスの④・⑤を補佐するもので、学習用データとしてPOSデータを使用していました。精度は当時でも(データにもよりますが)結構高く、仮に低くてもデータを洗い替えしたり、正しいデータを学習させることで精度や上がっていったのでは、と推測します。

でも、やっぱり、やっているうちに、これは問題解決の根本治癒ではなく、絆創膏対応でしかない、と思うようになりました。
それはなぜか。アパレル業界の皆さまならご承知の通りかと思いますが、モノ作りの各プロセスにそれぞれの課題があるから、です。

アパレルモノ作りの各プロセスにおける問題点

ざっくり考えてみると、下記問題点があるのでは、と考えます。

① 企画:同質化とブランドロイヤルティの低下(企画力が弱体化し、ブランドらしさをうまく訴求できていないケースが多い)
② 素材調達:ロットやリードタイム、コスト増問題
③ 生産:ロット、リードタイム、稼働率、コスト増問題
(国内生産背景の減少、海外生産背景のロット数増加など、②と③が最適化していない)
④ 物流・在庫:過剰在庫及び在庫がないことによる機会損失、物流費の増加
⑤ 販売:セールやクーポンの乱立、販売員のモチベーション低下 (販売員の離職率の増加)

今回①~⑤の深堀りは割愛させて頂きますが、当たり前ながら、④と⑤を最適化しても、①~③の問題解決及び最適化ができないと問題が解決したということにはなりません。

仮に販売期間中にAという商品が1週間後、現在の在庫数に加え100枚売れる、とAIがサジェストしたとしましょう。
そこには必ず②素材調達と③生産が伴います。当たり前ながら、魔法のように1週間で100枚の製品が手に入る訳ではありません。生地や附属を仕入れ、工場をおさえ、依頼をすることが必要となります。前述の通り、②と③はサプライヤーと連携していることがほとんどです。つまりその②と③のプロセスが今は最適化されていない為、よほどの関係性がない場合をおいて実現可能性が低くなります。(もしくはあらかじめ在庫することになる)
また、同業他社が自社より安くAの商品に似た商品を販売したらどうでしょう。顧客はよほどそのブランドのファンでない限り、安くて似た商品に浮気する可能性が高くなります。100枚追加してからと言って、売れるでしょうか。

では、どのようにすれば在庫問題の適正化における根本的解決ができるのか。

ファッション×AIの可能性も含め、私なりの持論を次回以降記していきたいと思います。(続きます…!)
あ、決してファッションテックAI企業やサービスを批判している訳ではありませんので悪しからず。(大変さも分かっているつもりです・・・)

それでは今日はこの辺で。



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