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「コピーは、コーヒー牛乳飲みながら。69」 宣伝会議賞2年連続トリプル受賞・むーむーさんインタビュー

六十九杯目は
「わたしの『スキル』が、だれかの『できる』を叶える。」
「代わりのいない、変わり者になれ。」
「死因は『めんどくさい』でした。」

皆さん、大変お待たせしました! 「コピーは、コーヒー牛乳飲みながら。」今回を含めて残り2話となります。

今回の取材をした時期は春、まだ桜が芽吹いていた季節。その時期にお会いした方は過去さまざまな方からリクエストをいただいたこの方! 上條直子さん(タイトルはTwitter名の「むーむーさん」という名前で掲載させていただいています!)!

宣伝会議賞で59・60回と連続でトリプル受賞され、他にも川柳などで多数の実績を出されている方です。

とはいえ実際のご本人はどんな方なのか? 東京都・自由が丘で詳しく過去についても伺うことができました。すっかり暑さ厳しい季節ですが、春の息吹を少しでも感じていただけたら幸いです!

大好きな音楽がわからなくなった
苦しんだ先に出会った「言葉」

上條さん:今言うと信じられないかもしれませんが……学生時代というか、小さい頃から言葉で何かを伝えるというのが大の苦手でして。何を言うのが正解で、どうしたら怒られないか考え込む性格だったんです。

そのくらい話すのが下手で、作文とかも嫌いで。だけど人間って、どこかでアウトプットする場所が必要じゃないですか。それが自分にとっては「ピアノ」でして。

————ピアノが、ですか。

上條さん:弾いてる時は素直な気持ちをぶつけられていて、子供の頃の私にとって、音楽はなくてはならない存在だったんです。

上條さん:全然英才教育とかではなく、好きで弾いていました。母の友達が音楽の先生だったので、自宅で行う個人レッスンを受けていて。バイオリンも好きでして。また学校がカトリックだったので、聖歌隊にも所属しオルガンを演奏したり、隊長をしたり。そのくらい音楽が好きで。逆にいうと、音楽より好きなものが見つからなくて。でも……音大に進学してから苦しみの始まりでした。

————大学進学の当時、何があったのでしょうか?

上條さん:周りの半分が附属高校の出身で、私のように好き勝手弾いてきたわけではなく、メソッドを押さえて自分たちを鍛えてきた人たちばかりだったんです。

例えば英会話でも耳コピで話せるようになりますが、文法をしっかり学んでるかどうかで理解力が大きく変わるのと同じで、ちゃんとスキルがある人の演奏って全然違うんですよ。その人はどのくらい理解できるかは丸々一曲聞かなくてもわかって。

一方で、私を周りと「いい意味で違う」を評価してくれる先生もいて。その強みをもっと伸ばせばよかったんですが……2・3年生くらいの時、このままではこれより上のレベルにいくの無理だな、考え方をひっくり返さないと思って。でも、それが良くなかったんです。

例えるなら……フィギュアスケートでジャンプの質を高めたいと思ったら軸が分からなくなってしまった。そんな感じになってしまったんです。

————弾き方が急にわからなくなった、ということでしょうか?

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