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元オフィス家具販売員が椅子の選び方を提案する。

有名な(マトモな)メーカーの椅子を選ぶ

国内なら4大メーカー(オカムラ、イトーキ、コクヨ、内田洋行)
国外ならスチールケース、ハーマンミラー、ヴィトラ、ウィルクハーンなど。

中古で8,000円、新品で40,000円以上の椅子を選ぶ

有名な(マトモな)メーカーの定価60,000円以上だと失敗が少ないです。
販売価格は新品だと定価の6-7割、中古だと1-2割くらいで買えるので
中古で8,000円、新品で40,000円の椅子を選びましょう。

上下可動する肘付 or 肘無を選ぶ

上下に動かない肘はほぼ役に立たないだけでなく、邪魔です。
なので明確な理由がない限りは固定の肘付を買わない事をオススメします。
可動肘はデスクと同じ高さに調整することで、マウス操作時に腕や肩の負担を減らせます。

背もたれを固定できるものを選ぶ

後傾姿勢になると背もたれが倒れるのは結構不便です。
固定機能アリの椅子を選びましょう。
これは好みが分かれるかも。

座面がメッシュタイプじゃないものを選ぶ

メッシュタイプは構造上、座面周縁に樹脂や金属のフレームが入るため胡坐や立膝、体育座り、正座など通常以外の方法だと座り辛いです。
特に自宅で利用する場合は、会社と違って個性丸出しな座り方をする方も多いので、こちらも明確な理由がない限りは避けた方が無難です。

中古はキャスター、上下昇降、リクライニング挙動をチェックして選ぶ

・キャスター
よく見ると髪の毛が大量に絡まっていたり、キャスター自体が一部欠けている場合があります。

・上下昇降
経年劣化でガス圧が弱くなっている場合があります。
具体的には、座ってるだけですこ~~しずつ下がってしまったり、
最下部まで下げた際に『ゴン!』と鳴るくらい勢い良く下がってしまう場合は劣化している可能性があります。

・リクライニング挙動
倒すたびに『キィ……キィ……』と鳴ったり、倒してから戻るまでの反応が鈍かったりする場合があります。

具体的にどれがオススメなのか

■最低ライン
プラオチェア
まずオススメなのはイトーキ製のプラオチェア ハイバック。
プラオ ハイバックの背もたれ上部はある程度曲がるくらいの柔軟性があるので、背もたれを固定した状態でも窮屈に感じ辛いです。

稼働肘は上下前後に動く為、デスクと高さを合わせた後にマウスと腕の位置も調節できるので使い勝手が良いです。
肘の形状は楕円形で質感はゴム。

ウィザード3チェア
これもイトーキ製のウィザード3チェア ハイバック(ローバックでも良いと思う)
特徴的にはプラオと似てる。
プラオとの違いは、オプションで可動式のコートハンガーが付けられる事と、肘が若干安っぽい点。
あと肘の形状がフラットな長方形で質感は皮。

■ちょっと良いやつ
AGATA/A スタンダード
古いコクヨのアガタAタイプ(A, S, Dの3タイプがある。Aが最上。)
基本的にヘッドレスト付と革製のやつは避けた方が無難。
AGATA/Aは柔らかいウレタンクッションを使っているが、座った時に過度に沈み込まずとても安定する。

肘は柔らかい皮を使ったタイプがあり、安い椅子と違い肘が痛くなる事はない。
腰部分(ランバー部)のサポートは前後に調節も出来る。
尚、この辺の椅子から重量がかなり重くなる。

=== 2022/04/16追記 ===
■良いやつ
リープチェア
言わずと知れたSteelcase社が作ってるLeapです。
ライブバック調整(背骨が当たる部分にスリットが入っていて、たわんでくれる。その反発力の調整ができる)が売りですが、欲しい機能は基本的には付いてる。
特筆すべき部分としては、
・肘が前後上下左に動く点
左というか肘当てのパッド部分のみが内側にスライドする感じ。
これによってキーボードやマウス操作がかなり楽になる。
・座面前方部の沈み込み機構
座り方によっては座った際に腿裏が座面に強く当たる事がありますが、リープはその部分が沈み込む仕組みになっているので、結構快適です。
・座面が前後に動く
6段階くらい選べます。位置。
・背もたれ部分が着脱できる
背もたれって汚れるじゃないですか、リープは着脱できるので洗えます。
ただ、オフィシャルな機能という訳ではなく、機構が単純なのでユーザーでも実は着脱できるんですよーという話なので注意。慣れれば簡単。
・座面が着脱できる
座面って汚れるじゃないです、リープは着脱できるので洗えます。
こちらもオフィシャルな機能という訳ではないですが、ビス止め等がされている訳ではないのでがんばれば誰でも出来ます。だるいけど。
尚、これはリープ特有という訳ではなく、バロンやコンテッサも同じ感じです。
更に言うと、仮に座面が破けてしまっても座面だけ購入すれば良いので長期で見るとコスパが良い。

=== 2022/04/16追記オワリ ===
(また気が向いたら続きを書きます)

有名チェア(アーロンとか)について雑に書く

■アーロンチェア
ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品だーとか、
メッシュ記事は特許でーとかで有名なアーロンチェアです。

・座面がメッシュなので避けたい
最初の方で書きましたが、胡坐等の特殊な座り方がし辛い。

・買うなら前傾チルト付き
前傾チルトは座面の角度を5度くらい倒せますよー集中する時は前傾の方がよいですよねーという機能なんですが、アーロンって通常時は平坦ではなくてやや後傾です(少なくともぼくが座ってた感覚では)
なので前傾チルトがないと『後継気味の微妙に座り辛い椅子』という感じ。

・前傾チルトの切り替えがメンドイ
最初のうちは前傾チルトON → 後ろに寄り掛かる → カチっと音がする → 体勢を戻す(前傾チルト実行)という作業を経て切り替えるんですけど、そのうち使わなくなります。メンドイので。少なくともぼくはそうでした。

・肘の上下可動が使い辛い
そこそこ安い椅子でも肘を上下する時は親指 or 人差指でボタンを押しながら上下にスライドさせて、良い感じの所で指を離して高さを決定する事がほとんどなので楽ですが、アーロンはそうはいきません。

アーロンはそれぞれの肘裏に位置固定用のレバーが付いていて、それをグッと力を入れて引き上げると肘が上下に動くようになり、上下にスライドさせて高さを決めたら、そこでレバーをグッと倒して肘を固定します。

が、このスライドが滑らかじゃない場合が結構あります(特に中古は)
その理由は、スライドさせる仕組みにあります。
よくある可動肘は肘部(ボタンも) + スライド部 + 取付部という構成になっていて、椅子に取り付けていない状態でも滑らかにスライドします。

アーロンは肘部 + 取付部という構成になっていて、スライドさせる際はこの取付部を直接上下にズラします。
なので、微妙に立て付けの悪い窓のようなやり辛さがあり、数年経過するとより立て付けが悪くなる印象です。
また、この仕組上、左右の肘を同時に調整し辛いので、調整後に『右側だけ高いやんけ...』みたいになります。割と。

・アーロンライトだけはやめた方がいい
前傾チルトなし、固定肘、ポスチャーフィット部がフル装備より少ないというアーロン買う意味…ってなるので避けた方が無難です。


(また気が向いたら続きを書きます)

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