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治療と慰安

治療と慰安は何が違うんでしょう?

国家資格である、はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師や柔道整復師は「治療院」の看板を掲げることができます。柔道整復師の場合は、
「〇〇接骨院」「△△整骨院」と名乗るところがほとんどです。

国家資格を有していても、医師でない場合、「◇◇病院」はもちろん、「✕✕クリニック」や「◎◎診療所」もダメです。

その他、診察、診療など「診」の字を使っていいのは医師だけですが、「東洋医学的診察」といった使われ方はされています。
東洋医学独自の検査法である、望診、聞診、問診、切診を四診といい、これは学校でそのように習いますし、OKということになっています。

はり・きゅう・あんまマッサージ指圧は治療行為です。慰安やリラクゼーションをうたっているところは、やっているのは同じようなことであっても治療という言葉を使ってはいけません。

※本来であれば、名称はなんであれ、はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師以外の者(医師を除く)が類似行為を行うのは違法です。

他にもいろいろありますが割愛します。

無資格者の類似行為は、現在は野放し状態になってしまっていますが、あまり派手にやると保健所に目をつけられ、営業停止処分を受けることになります。 

※私が鍼灸の専門学校や勉強会でお世話になった呉澤森先生は、上海中医薬大学の教授であり、中医師(中国では中医師と西洋医師がある。ともに就業年数は6年)ですが、日本で治療を行うにあたって、日本のはり師・きゅう師の資格を取得しています。

治療行為により、もし、受け手の側がケガなどをしてしまったら、施術者は傷害罪で逮捕されることもあり得ます。

ちなみに、何年か前にアメリカでカイロプラクティックによる、次のような医療過誤の事故がありました(カイロプラクティックはアメリカでは国家資格です)。頚椎の矯正によって椎骨動脈が破れ、翌日死亡。この話をYahoo newsで見た時は非常に怖いなと思いました。

このようなことは、滅多にあることでありませんし、人によっては全く気にならないかもしれません。

話を戻します。信頼関係のもと、マッサージ的なことは、家族や友だちにやってあげるのは構いません。

もし、友だちにマッサージ的なことをやってもらい、そのマッサージ的なことを心地よいと感じたら・・・。

それは結果的にどんな病気であれ、治療になります。

心地よいと感じると、交感神経側に偏っていた自律神経は、副交感神経側へとよび戻されます。この時、脳内での痛みの閾値は上がり(正常に戻り)、収縮気味だった血管は拡張、血流がよくなることで、痛み物質の局所停滞が緩和されます。

治療と慰安は明確に線引きできるものではなく、治療的な慰安もあれば、慰安と称してやっていることが、治療の効果をもたらすことは当然あります。

だからプロの治療家でなくても、誰にやってもらっても(できれば好きな人にやってもらうのがいい)体調が良くなることは十分に期待できることです。

施術を受ける側のコツとしては、「今、やってもらっている施術は、このようなメカニズムによって体調がよくなるんだ」ということを理解しておくことです。

この業界には施術法がゴマンとありますが、特別な施術を受けなくても、治るときは治ります。

読んでくれてありがとうございます。


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