うつ病と冷え症の関係2
取り巻く環境がつらいと、うつ病になるのでしょうか?
次のような報告があります。
・うつ病にかかるリスクは、第二次世界大戦以降10倍に増えている
・先進国の国民より、発展途上国の国民のほうがうつ病が少ない
・先進国でも、都市の住民の方が田舎の住民よりもうつ病の発症率が高い
・近代化から遠く離れたライフスタイルの国ほど、うつ病の発症率が少ない
・現代でも、狩猟採集社会に住む人たちのうつ病の発症率は極端に少ない
これらは、ストレスの多さだけがうつ病の発症率を上げるのではない、ということを示しています。
現代の生活様式は、これまでのものと大きく変わりました。いまでは両親や祖父母の時代では想像もできなかった様々なテクノロジーが、あらゆるところで主要なものとなっています。とくにSNSの急速な普及によって、好むと好まざるとにかかわらず、私たちは大量の情報にさらされています。土や草木などの自然に触れることが極端に減り、運動は不足し、人間関係は希薄となり、加工食品を過剰摂取しています。そして消費に対する欲求は果てしないものとなっています。
人類史上だれも経験したことがないこのような生活によって、大量のうつ病が生み出されていると考えても不思議ではありません。
体に必要とされる栄養や紫外線が足りなくても、うつ病のリスクは高まるし、大切な人との別れがうつ発症のきっかけになった、ということもあるでしょう。
しかし、多くの場合、環境がつらいというだけでうつ病になるわけではなく、これら生活全般に渡っての急激な変化と、受け入れることのできない人間関係に頭の使い過ぎが合わさって、うつ病になると考えられます。
つらいことや嫌なことがあっても、それに捉われることがなければ、そのつらさや嫌なことは過去のものとなります。しかしいつまでも忘れられなければ、それよって起こる過度の感情は自律神経を乱し、やがてはうつ病となってしまいます。
忘れたくても忘れられないのは、頭を使い過ぎているということです。
永遠に続くとも思われる薬物の使用や、それにともなう副作用に対する不安にさらされることなく(つまり薬物に頼ることなく)、なんとかうつの状態から脱出することはできないものでしょうか?
読んでいただきありがとうございます。次回へ続きます。
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