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「詩」十七歳の頃

窓から街を 眺めていただろうか
二流シネマのように 覚えているのは
廊下側の席の後ろ 半透明な硝子

30分に一本の JRの車内の
青く硬い椅子 のような青春の中で
私は何かを 失くしたのだろうか

(長崎の 修学旅行で
 老人の話をきいた 皆無意識的に
 無言であった その壮絶さに)

校庭には 桜がなかった
それでも冬から春へと 季節は巡っていたのだろう
あの頃も多分 今と同じ秒針で
 
春の嵐の中に 留まり続ける可憐なスミレ
私は何かを 今も求めているのだろうか 

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