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収穫期の 葡萄畑を 柔らかな月光が 照らす夜 あなたは 大きな樹にもたれて 恍惚を 瞳に浮かべ…
機械油の匂いのする温風が 水銀灯を滑らかに揺らす 造船所の一画で私は 光線を放ち続けている …
一 工場は忙しなく稼働している 煙突からは黒煙が吐き出され その上で月は 青白く輝いている …
懐かしく甘い 雨の香り ベランダに 置き忘れた ティーカップに 幾つもの 水滴が 吸い込まれる …
階段は消えてしまう 遥か遠くに佇む古城 空中庭園に滴る風 時は終わりへ針を進め 月の香りが森…
葉が風に散り 土が眠る 冷え始めた この夜に 月の道しるべ 慈悲の光が 清らかに 夜空に輝く …
秋深く 一人見上げる三日月の 照らせる野辺に風ぞ吹きゆく 嵐去り 雲間に浮かぶ三日月を 飽きることなく眺めいるかも 一人寝る 枕にひかりたぐり寄せ 夢の中でも月を見るらん