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2022年2月の記事一覧

「詩」月の香り

階段は消えてしまう 遥か遠くに佇む古城 空中庭園に滴る風 時は終わりへ針を進め 月の香りが森…

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「詩」真冬の光

真冬の午後の光に 勝るものなど あるのだろうか 空を超えた場所から 注がれる光に その光の…

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「詩」失くしていく世界

私には 辿り着けない場所 静かな雨を予感させる 雲の隙間から 灰色の太陽が 大地を見渡してい…

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「詩」風景画

シラサギが飛び降りる 悠然と朝を待つ 大海の中へ 無常の風景は確かに この目の中で 生きて…

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「詩」些細な光

淡い春の 陽射しがレース越しに 注ぐ窓の傍で あなたと昼食をとる ルッコラのサラダ 鮭のソテ…

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「短歌」小歌集 ~採光~

冬の陽 陸橋の鉄 吹く風に 光は撒かれ 飛び立つ水鳥 ガラス戸に 染み入る光 理由もなく 生き…

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「詩」粉雪の朝/斑鳩の昼

一月の朝 ガラス越しのベランダで 君は恥ずかしそうに 笑っている 少しずつ 白く染まっていく街並み 枯れた街路樹に 咲き始める雪花 (四月八日 金堂に蓮の花弁が舞い  彼の人は僧のごとく 経を詠んだ  菩薩の足音を 尊い人は聞き  光り輝く彼の人を 尊い人は褒め称えた) 刻々と 形を変えるはずの世界で 定刻通りの バスの発車音 凍えた君を抱きしめた その鼓動は いつかの 優しい雨音に似ている (彼の人は 六角堂にいた  虚仮な世を疎い 彼の人は孤独であった  空から金色

「詩」悪魔

悪魔は人を殺さない 牢屋に入ってしまえば 自分の欲望を満たせなくなるからだ 悪魔は生殖を欲…

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