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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー / メトロポリタン美術館
落ちるぞ、気をつけろ
名もなき少年ペルは、親に連れられて隣国の僻地に避難してきた。母国は今や戦禍に飲み込まれ、一緒に避難してきた別の家族の話では、ペルの友達もみんな別々の場所へ避難したとのことだった。将来一緒のお家に住もうと決め合った僕たちは、こんなわけもわけらない出来事のせいでバラバラになってしまった。
連絡を取ろうにも、手段がない。
ペルは、こっそり親から離れてこの僻地を探検した。するとすぐに1つの事実をつかんだ。私たちとは身なりが全く異なる住民に出会った。彼らは、ジェスチャーでペルにこう伝えた、”何しに来たんだ、早く帰れ”と。
彼らの言い分お構いなしに、ペルは彼らを素通りして、大きな川岸に辿りついた。その向こうには、とんでもなく大きな要塞としっかりとした石橋が見えた。さっきの彼らが私を追いかけたきた、”おい、引き返せ。これ以上、行けば連行するぞ”。でも、ペルには彼らの言葉なんてどうでもよかった。
今ペルは、決心した。ここの川に飛び込もうと。
”よいしょっ、みなさんじゃあ。僕はこれにて”
”おい、やめんか。落ちるぞ、気をつけろ。”
人って、窮地に立つと、自分でも気が付かなかった野蛮な発想に頼ろうとするのかもしれない。
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