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第2話|音が聞こえてくる

カイから、写真が送られてきた。先日行ってきたという個展の写真数枚。

先日、カイは先輩アーティストの個展に行ったのだとか…
福岡天神のとあるカフェにて
隔週、個展が開かれているとか

一日中陽の光を浴びているわけにもいかず、オフィスだったり、家の中だったら、お店の中でだったり、モールの中だったり、大半は"どこか"の中にいる。こうした絵画がどこで描かれたのか検討つかないけど、なんだか見えてこない??そして聞こえてこない??

ピューーーー。ダダァーン。ウー、ダ、ダ、ダダァーン。タン、タン、タン、シー、タン。

明らかに私よりも中にいる彼らから、音が聞こえてくるわけさ。一体誰?あなたは何をしてるの?そんな抱いているのはどうしてさ?そっちの生活はどんな感じ?想像と困惑が入り混じる。ついには、私好みの舞台を連想してまう。
『20××年の公園で遊ぶ子供たち』
『自分の筋トレ中を模写した人』
『このままグルグル考え事して時間を過ごしたい人』
『愛するものを抱かずにいらない人』
その世界、その時代では、18時になったらどんな公共サイレンが流れてるの?何を聴きながら筋トレしてるの?ボォとしていられない私は何を聞いたら良い、教えて!何か感傷があるなる、話聞くよ、私でも良ければ!

こうして音色が聞こえてくる。
ピューーーー。ダダァーン。ウー、ダ、ダ、ダダァーン。タン、タン、タン、シー、タン。

今だって"どこか"の中に私はいるわけ。外にずっと居られない。信号を気にしたら、動線を気にしたり、マナーを気にしたり、そんなこと必要になくなったら、頭や心にスキマができる。スキマはとっても貪欲なエネルギーで満ちてるのかも。ここに入った時には、本来のようにはいかず、私好みの姿、形、概念となって出てくる。

さっきカイからもらった写真数枚は、私のスキマの中で、音となって出てきた。

(END)


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