【犬王】アヴちゃんは犬王に求められていたと思う 舞台挨拶と映画の感想@新宿バルト9 2022.6.8
映画「犬王」を一言で表すなら”新感覚歴史エンターテイメント”、感想は「魂が揺さぶられるとはこのことか…」と痛感するほど「物凄い映画を見た」と言うことだ。
この記事で舞台挨拶でお話しされていたことと、「犬王」の感想をまとめて話す。
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犬王と友有(いくつか名はあるが自身が名乗った名前なので私は友有と呼ばせてもらう)がパフォーマンスをしているシーンの臨場感は物凄く、映画館にいるはずなのにまるでライブ会場にいるかのようだった。
アヴちゃんと森山未来さんの歌声は琴線に触れるを超えて魂まるごと揺さぶられ、ボロボロ泣いた。アナ雪にしろミュージカル系のストーリーで泣いたことはほとんど無かったため、そんな自分に驚いた。
元々ライブに通っていた身だったため、ステージに釘付けになり、煽られるがまま歌い、拳を突き上げ、音を全身で浴び、ガソリンについた炎のようにすぐには消えぬ独特の高揚感のまま帰路につく。あの頃の自由なライブの良さを一気に取り戻したような感覚に陥った。
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野木先生もおっしゃってたように「犬王はアヴちゃんしか出来ない」と本気で思った。
確かにスクリーンで舞っているのは、平家の亡霊の存在証明をするという使命を仕った犬王だ。
だがスクリーン越しでもシルエットが見えるほどのアヴちゃんの圧倒的存在感は、まるでアヴちゃんが犬王に憑依しているかのようで、目にしたのは紛れもまく本物の音楽、本物の芸術だった。
歌っている時の犬王は格別だった。
犬王でありながらアヴちゃんでもあり、だがその才能がぶつかって互いを打ち消すことも、どちらかの存在感が薄れることも無く、犬王とアヴちゃんは一心同体だった。
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そして映画を見ながら納得したこともあった。
アヴちゃんのご先祖様は平家だそうで、しかも判明したのは舞台挨拶の昨日のことだそうだ。
このツイートを見てからの上映だったのだが、私は「犬王」を見ながらアニメ「どろろ」と「どろろ」主題歌「火炎」を思い出していた。
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論点は「『どろろ 』と『犬王』は話の設定似ている」のではなく、アヴちゃんらが作った「火炎」という曲が「どろろ」の主題歌になったことも、犬王を演じるのがアヴちゃんであることは必然ではないか?という話である。
まず、犬王と「どろろ 」の主人公・百鬼丸には共通項がある。
どちらも異形の子だった。
「どろろ 」では武将の父が鬼神と「生まれる我が子の身体の部位を上げるから天下を取らせて欲しい」と言う身勝手な取引をし、その結果目や耳、口、四肢など身体の主要な部位を奪われた醜い姿で生まれたのが主人公・百鬼丸だ。
犬王もまた異形の姿だ。両足はなく腕は通常の2倍ほど長い片腕だけ、顔も目や鼻が本来あるべき位置にないため、常にひょうたんのお面を被らされていた。
一命を取り留めた百鬼丸も、醜い容姿のせいで父に稽古をつけてもらえなかった犬王も、生まれた姿のままで終わらなかった。彼らは自分の力で自分の身体を取り戻すのだ。百鬼丸は魔物を倒し、犬王は舞を覚えたりパフォーマンスをしている途中で足や腕を取り戻した。
自分の物は自分で取り戻し、自分の道は自分で切り拓く、2人ともロックバンドに通ずる気がする。
「火炎」はあまりにも「どろろ」とのリンク性の高い曲だが、「どろろ」のタイアップの話が来る前に既に曲の原型があったそうで、ちょうど次の曲を出そうと話をしていたタイミングだったため「呼ばれていると思った」とアヴちゃんは当時のインタビューで話している。
そして今日、「アヴちゃんは平家の末裔だった」というとんでもない事実が発覚した。
この衝撃的な事実が決定打となり、ロックスター・アヴちゃんの全てに納得した。
平家の血が流れているから「火炎」という曲が作れて、運命的にも後に「どろろ」という名作漫画が原作のアニメ主題歌に、そして実在したとされる能楽師「犬王」の声優として戦国から令和へ時代を超えて命を吹き込んだ。
アヴちゃんの「呼ばれている気がした」「犬王の話が来たとき、根拠はないけど出来る自信があった」と言った目に見えない運命を強く信じる力は、感覚ではなく血筋から来てきたものとは思いもよらなかった。
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歴史としても学べ、ミュージカル映画というエンターテイメントとしても楽しめ、本当にあったであろう呪いの恐ろしさも知り、名前の大切さについて改めて考えさせられ、そして見失いがちな友情の深さも改めて知るきっかけとなった。
犬王がアヴちゃんに見えるシーンが何度も何度もあった。
何より強く思ったことは、犬王がアヴちゃんを求めていたような気がしたことだ。
まさかの写真OKタイム有。アヴちゃんも森山未来さんも野木先生も大好き(ツダケンも松重さんも柄本佑さんも好き)なので、自分のカメラロールに御三方の写真が入ってるの嬉しい。
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