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うちの猫は目が見えない

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一見普通の猫だが、うちの猫は生まれつき目が見えない。

光はある程度分かるそうだが、物は全くと言うほど見えてないらしい。写真で分かる通り彼女の瞳は光の当たり方で目の色が変わり、普段は深い青緑色をしている。

この子は保護猫カフェから引き取った保護猫で、私の元に来て来月で1年になる。

最初から保護猫で探していたのは、周りの猫好きやドロスの洋平さんを初めとした好きなアーティストの他、サンシャイン池崎や柴咲コウなどを中心に保護猫を飼っていたり保護猫活動に精力的な芸能人の影響がとにかく大きい。

なので初めからペットショップで猫を「買う」ことは考えていなかった。だがしかし、保護猫を探し出すと一人暮らしを理由に譲ってもらえる保護猫はなかなかおらず苦戦した。

ある日保護猫をネット検索していると、唯一無二の深いエメラルドグリーンの瞳に黒サビ柄の猫に目を奪われた。

一目惚れだった。

当時は10ヶ月と成猫からシニア猫まで幅広い年齢の大人猫を中心に保護している保護猫カフェからすると若い猫で、しかも一人暮らしOKと条件もぴったりの猫だった。

実際彼女のいる保護猫カフェに行き里親を申し込むと「この子は目が見えないのですが大丈夫ですか?」とスタッフに再三ほど確認されたが、私にとって「目が見えない」ことはさほど重要なことと思っていなかった。申し込み手続きをし、引越し準備と猫を迎えるための準備を並行して進めた。昨年の今頃の話である。

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普段は室内フリーで気ままに過ごし、その大半はボーッとしている。

時々レンジの上など高いところに登っては降りられなくなったり、自動餌やり機の入り口をポリポリして倒したり、作業のため洗面所に隔離して置くと勝手に引き戸を開けたり、利口なのかずる賢いのか分からない部分もあるが頭はいいと思う。

猫の由来が「よく寝るから寝子(ねこ)」とはよく言ったものだ。ロングスリーパーの私ですら感心するぐらいよく寝る。

猫は本来夜行性だが、うちの猫に限れば生活サイクルが昼夜逆転している人間の私よりも猫の方がしっかりしていると思う。

朝一番に自動餌やり機の音でご飯に飛びつき、日中は太陽の光を浴びながら日向ぼっこをし、夜は夜でスヤスヤと寝ている。

よく夢を見ているかのようにスヤスヤと眠っていることがあるが、時々この子はどんな夢を見ているのだろう?と思うことがある。飼い主の顔も知らないこの子が見る夢は、何も見えないからこそ何かを創造しているのか、夢すら見ないのか。

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一年近く全盲の猫と過ごしていて、目が見えないことは大きなハンデだとは思わない。

当初は初めて飼った猫が全盲、しかも一人暮らしとなると最初は大丈夫だろうかと心配したが実際は全くの無問題である。

トイレはきちんとトイレでするし、ツナ缶を開けると自分のご飯だと思い込んで(ツナ缶をあげた覚えはない)物凄い勢いでキッチンにやってくる。

一方でネックといえば全く運動をしないのでブクブク太っていくところだ。顔の大きさは変わらないが、お腹はどんどんブヨブヨになっていくのでアンバランスである。

猫について書きたいと思いつつあまり書けていないのは、猫との生活が当たり前になり完全に生活の一部になってしまったからだ。「飼っている」と言うより「共生している」と表現した方が正しいかもしれない。

ハンデ猫は同じ全盲でも病気などが原因で目ん玉が無い子や耳が無い子、他には手足が曲がっていたり、四肢の一部が無い子など結構多い。

たまたま可愛いと思った猫がたまたま目が見えなかっただけの話だ。

ハンデも立派なチャームポイントだ。

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