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友達が入社した日

今年の初めに友達が入社してきました。これから起こる楽しい事や充実した生活を夢に描いて彼女を温かく迎え入れました。

彼女はおっとりしており、話すとフワッとした和やかな空気が流れ、自分には無い空気感でいつも羨ましいと思っていたのです。

入社当初彼女は「物覚えが悪く、覚えるのに時間が掛かるが、出来ない事はないので教えて欲しい」と私に言ってきたのでした。私はそこまで気に留めておらず、歳のせいもあるし私も同じであるから気にせず何度でも聞いてね、と社交辞令ではないのですがそう答えていたのは記憶にあります。

思い返せばあの言葉がヒントだったのだと。彼女の放った言葉は後に私の根底を覆し、大きな亀裂とだだっ広い「答えの無い世界」に放り込まれる序章だったのです。