3.2%の女
「ねえ夫くん、知ってる?
ガリガリ君って当たりが付いてるんだよ」
終わらない暑さ。うだる9月初頭。
私たちはドラッグストアで買った
アイスを車内で食べていた。
ふーん、そうなんだと適当に相槌を打つ。
当たりなんてそうそう出ないものだろう。
現に私はアイスで当たったことなどない。
「うーん、はずれか。残念」
そりゃそうだ。気まぐれで買ったアイスが
そうそう当たるわきゃないだろう。
いくら強運の申し子たる君だって
無理なもんは無理だよ。マンガじゃあるまいし。
「わたしガリガリ君好きなんだよね。
夏になると買っちゃうんだ。夫くんは?」
私はガリガリ君はほとんど食べない。
アイスまんじゅうとか、あずきバーとか
あずき系のアイスが大好きでよく食べる。
暑い夏はアイスが捗って体脂肪が危険だ。
「そうなんだね~・・・あれ?」
何かに気づいた嫁ちゃん。どうしたのだ。
「夫くん。当たってたよ」
当たってたって、何が?
「いやだからガリガリ君、当たってた」
おいおいマジかよこの嫁ちゃん。
たまーに買った一本だけのアイスが、当たり?
子どもの頃さんざんアイスを食べた私ですら
当たったことないんだが?どういうことだよ…
「えっへっへー、また当てちまったぜ」
そうなのだ。
ウチの嫁ちゃんは「当たり」に縁がある。
当たり付き自動販売機でもよく当てているし
正月のくじ引き的なやつでも1等を当てたし
ソシャゲのガチャでも異様に引きが強いのだ。
しかしまさか、ガリガリ君でも当てちゃうか。
ちなみにタイトルの画像が、実際の当たり棒。
印刷が非常にかすれ気味で大変に読みづらい。
文章に起こすとこのように書いてありました。
「ねえ、今調べたんだけどさ、ガリガリ君の
当たり確率って3.2%なんだって。うへへへ」
そうか、3.2%だったのか…
道理で当たらないわけだ。おそらく
他の当たり付き商品もそんなものだろう。
「ああ~、でもほら、これ見てよ。
当たり棒はラップとかにくるんだ状態で
お店の人に出してください、だってー」
ふむ、昔は当たりが出たらそのままの状態で
お店の人と交換していたような気がするけど
今は感染対策とかを考慮した結果なのかなぁ。
面白いね。
「夫くん、これ(当たり棒)あげようか?」
いらんいらん、自分で交換して食べなさいよ。
…と言いたいところだけど、ちょっと貸して。
「お、なになに、やっぱり欲しくなった?」
いやnoteのネタにする。写真撮らせてくれ。
ありがとう嫁ちゃん。
君のおかげでネタには困らない毎日だ。
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