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自分は正しいのだろうか?

とある外国の話。
男は身分証の提示を警官に求められた際
いきなり警官をズドンと撃った。

実は男は指名手配されており
手にかけた人は数十人にものぼる凶悪犯。

その後、警察の威信をかけた捜査によって
ようやく男は捕まえられる。

取り調べで、男は自分のことを
「誰一人としてケガなんてさせたくない。
そういうやさしい心を持っている」
と言っている。

嘘をついているのか?そうは見えない。
冤罪ではない。証拠は山のようにある。
二重人格でもない。行為を認めている。

男が電気椅子に座る間際の言葉はこうだ。

「俺は自分の身を守っただけだ。
なんでこんな目にあわされなきゃならない」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

これは
犯罪者は普通の人と違うという話ではなく

ポイントは
自分のことを悪者だと思っていない
という所である。

男は、最後の最後まで
自分が悪いだなんて思っていなかった。
むしろ自分は正しいことをしている。
悪いのはおまえたちのほうだろう、と。

さて、自分はどうだろうか。
私はもちろん人を手にかけたことはない。
警察のお世話になったのは交通違反くらい。
つまり犯罪を犯して捕まったことなんかない。

「私はこんな凶悪犯とは根本的に違う!」

果たして本当にそうだろうか。

前の車がノロノロ運転をしていたら
(なにちんたら走ってるんだ!)と
舌打ちをしていないのか。

挨拶を返さない人を見たときに
(挨拶もできないのか!?)と
心の中で毒づいていないのか。

ひどく酔っぱらっている人を見て
(自制もできないろくでなし)と
人格否定をしていないのか。

自分は正しい。悪いはずもない。
だから非難するのは当然の権利だ。

こう思っていたとしたら
“男”と大差ないのではないか。

自分は正しいのだろうか?
時には立ち止まって振り返ることは
とても大事なことだと思う。


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