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夜回り参加しましたレポ

千晶さんが前回の記事で紹介した雑誌ビッグイシューは、認定NPO法人ビッグイシュー基金により様々なサポートがなされています。

このビッグイシュー基金が一般社団法人つくろい東京ファンド(セーフティネットの充実を目指して活動する支援団体。詳細はリンクで✔︎)と合同で実施している「夜回り」に参加したときのことを、今回はお伝えしたいと思います!

※夜回り:路上生活の方の暮らす場所に出向き、食べものなどをお渡しするタイプの生活支援。渡す際に困りごとなども聞き、必要に応じる場になっている。

参加前から終了まで

私が参加したのは昨秋のこと(HPを見る限り現在はボランティア募集をしていないようです。通常は第3月曜夜)。
前日までにメールでの参加表明が必要!
締切系が得意でない私はこれで何度か機会を逸しました。忘れないように。

19時にビッグイシュー事務所に集合し、説明を受けます。行く先はその度に異なるということで、今回は神田〜大手町のほうまで。
配るものはパンと「路上脱出・生活SOSガイド」
このガイドはとてもよく情報がまとまっているうえ、PDFでオンライン上にも掲載されていて誰でも閲覧可能!気になる路上生活の方がいたらコピーしてお渡しすることもできます。
東京版のほか、札幌・大阪・名古屋・京都・福岡・熊本のバージョンがあります。

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その他の説明は、お渡しするときはしゃがむなどして必ず目線を合わせ夜回りの旨を伝えること、お話しできそうだったら体調に不安はないか聞くことなど。
その後参加者で簡単に自己紹介。この日は支援団体のスタッフさんも合わせて10人くらいだった記憶です。リピーターの方が半分より少し多いくらい。年齢層は高くも低くもなくで、この時はいなかったけど学生さんが参加することもあるようです。

説明が終わり、各自パンとガイドの入った袋を持って出発!

路上生活の方を見かけたら、その度に話しかけます。あまり大勢で話しかけると威圧感が出てしまいかねないので、2,3人でお話。
路上生活の方が集まっているゾーンもあればお一人でポツンといらっしゃる場合もあり、お一人の時はやりとりを終わるまで少し離れたところで待機するかたちでした。

私も団体のスタッフさんと一緒に、数名の路上生活の方とお話しました。私が最初にお話しした方はもう長年路上生活をされていて、暮らしの品が充実していました。暮らしの品が充実した段ボールハウスは圧巻の光景です。

もちろんというか、全然話す気のない方や寝ている方もいて、そうした方にはパンとガイドを置いて立ち去るかたちでした。

団体のスタッフさんたちはどの辺に人がいるかを熟知していて、「そこ!?」みたいなところにズンズン進んでいかれます。
びっくりしたのは公園の垣根と垣根の間の小さなスペースにひっそり暮らしを作っていらっしゃった方。暗いこともあり、本当に注意しないと見落としてしまうような空間でした。

最後は国際フォーラム内のベンチに座る、宿のないであろう方々に声をかけてまわって終了。歩いたのは1時間半ほどでした。

「気持ち良くない」ボランティア

ボランティアというと語られがちなのが自己効用(自分のため、自分がやって気持ちいいから、の類)ですが、夜回りをして良い気分になることはほとんどないのでは、と思います。むしろ辛い。
路上生活の実態や人の多さを目の当たりにして、こうした状態をこの社会は生み出し続けているのか……という暗澹とした気持ちになるからです。
さらに言えば、この社会で私自身も(大した不自由もなく)生活しています。
パンを渡すだけではどうしようもないことについて、ジクジクと考えざるを得ないわけです。

とはいえ今日を生きるためのパンは必要であり、またSOSを受けとる機会にもなる夜回りは路上生活者支援に欠かせない取り組みです。
個人的にはジクジクと考える人たちが増えることも大切だと思うので、興味が湧いたらどうぞ参加してみてください。

最近のことと併せて思うこと

ところで、最近はCOVID-19対策のための営業自粛要請が政府や自治体から出されたことなどを受けて国に補償を求める声が大きくなり、政治を動かしてますね。
日常と政治は結びついているという普段忘れられがちなことが、強く実感されているんだろうなと思っています。

しかし、日常と政治が結びついているのは当然ながら今だけではありません。
夜回りで出会ったような人たちの生活を保障することも本来は国の責任であり、私たちが日常支払っている税金により行われるべきことです。

責任を果たしてくれない国に対して、支援団体の人たちは様々なかたちで抗議しています。
夜回りは必要、とはいえそれだけでは不十分なことをどうするかについて、支援団体の人たちはずっと向き合って動き続けているんですよね。

生活保障の問題がクローズアップされる今、その最低限のラインを巡り長年闘っている人たちの発信がもっと注目されるようになると良いなと思う今日この頃です。

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