わたしがプライド月間にやってみたこと

今年のプライド月間は、それにかこつけていろいろなことをやってみようと思っていました。レインボーパレードへの参加はもちろん、いつも一緒に考えてくれる職場のひとたちを集めて食事会を開いてもいいし、たくさん開催されるイベントに参加してもいい。普段あんまり時間をもてない人とも、年に1回くらい、一緒に多様性を祝福できたらいい。

イベントはなくなり、外にも出られない

しかし、事はそう簡単にいかなくなった2020年。各種イベントは中止になり、対面で言葉をかわしたり、やりたいね!と誰かと話すチャンスも減ってしまいました(レインボーパレードの中止は、個人的に特に残念でした。レインボーなマイメンたちを全員誘っていた/誘う予定だったので!)。

やったこと(1) 職場のアイコンをレインボーにした

それでもやったことのひとつめは、職場のアイコンをレインボーにしたこと。誰だったかの発案で、職場で使っているアイコンの縁をレインボーのグラデーションにしました(無料のジェネレーターがある)。職場のルールでは「アイコンはその人の顔がわかる写真ならOK」。

リモートワークが続いていて、オンライン上のやりとりが中心だったので、他の人にも気づいてもらえたんじゃないかなと思います。「どうやるの?」「わたしもやってみた!」という人がいたり、「何かと思って調べた」という人がいたり。この時期オンラインのみで入社したメンバーもいたので、アイコンでメッセージを伝えられたのはよかったかなと思っています。

やったこと(2) レインボーネットフリックスパーティー!

ネットフリックスを複数人で見ながらチャットで盛り上がる「ネットフリックスパーティ」。オンライン需要の中で流行っていたので、わたしたちもやってみることに。プライド月間に合わせてレインボーな作品を特集していたので、そこから選んで観ていくことにしました。

「クィア・アイ」にハマる

最初に選んだ作品「クィア・アイ」は、ネットフリックス限定の人気リアリティ番組。いろいろな分野のプロであるゲイの5人組(=ファブ5)が、毎回、自分を変えたい一般人を大変身させるという内容です。

ハマった。見事にハマった。パーティで観た直後、もう一話観て、そのあと個人的に着々と観ています。シーズン3までみました。

自分自身はどう振る舞うのかという不安

ジェンダーやセクシュアリティの多様性について考えるときに、社会全体で各種法制度や、風習・慣習はどう変えていくのか?を考えることは重要だと思います。でも、そのことを考えているときに、頭を離れないのは「そんなことを言っている自分自身は、どう向き合うの?」だったりしませんか。私はそうです。

自分とは違う誰かに出会った時、どう声をかけるのか?自分の違和感を伝わるように話すことはできるか?逆に、自分の知らない多様性の存在に気づいたり、耳を傾けることはできるだろうか?そして……それらに失敗した時は、一体どうしたらいいのだろうか?これらの疑問は、答えもヒントも見つからず、「不安な気持ち」として私の中に沈んでいました。

ファブ5が変身させるのは、ときに敬虔なクリスチャンであったり、保守的な政治思想の持ち主だったり、移民や、トランスジェンダーだったりします。ファブ5は、それぞれ個性的な5人組ですが、そういう出会いを前にしても自分らしく主張し、誠実に耳を傾けます。

その場できっぱり「違うと思う」「嫌だった」と伝えることもあるし、少し時間をおいて他のメンバーがいないときに静かに話すこともある。ジョークにしてしまうこともあるし、無理にわだかまりを消そうとしないこともある。時には、ファブ5のメンバーが、自分の発言について謝るシーンも出てきます。

自分も含めた多様性を尊重するには、どう振舞ったらいいのか?ファブ5の試行錯誤には、わたしの不安を小さくしてくれる現実的な知がたくさん詰まっていました。こういうのを観たかった。変身っぷりが毎度すごい!とか、ファブ5からのメッセージが素敵だとか、いろいろ見所はありますが、私がハマったのはそこでした。

以上、

いろいろやろうとしていたけれど、家のベッドでクィア・アイを観まくっていたらプライド月間が終わってしまったという話でした。言い訳をすると、天気も悪いし、人には会えないし、仕事でもちょっとくよくよしていて元気がなかった。ファブ5のポジティブを定期的に摂取することで生きていました。

できないときには、大したことはできないし、でも何もできないわけじゃないんだな。そんな6月。来年は素敵な6月になりますように。

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