健康診断前日の夜

私は社会保険に加入している勤め人なので、年に一度、会社様の負担で健康診断を受ける。

家の近くでも、会社の近くでもない病院に行くことになっていて、普段行かない場所なので、３日前から健康診断の帰りには、何をお昼ご飯に買って帰るかについてを考えながら過ごす。時間が合えば、美味しいバインミー（ベトナムのサンドイッチ）が売っている店があるのだけど、今回は午前中のオープン前に検診が終わってしまうので、旨いパン屋のパンにしようかななどと考えている。

さて、健康診断には問診票が付き物だが、更に私はミドルなエイジなので、特定診断問診票なるものも書く。その、特定診断問診票の内容に、なんだか毎年もやっとした気分を抱いている。

最初の方、1～8の設問は、現在飲んでいる薬の有無などであるが、問題はその先だ。

９：20歳の体重から10㎏以上増加していますか。
10：1回30分以上の軽い汗をかく運動を週２日以上、１年以上実施していますか。
11：日常生活において歩行又は同等の身体活動を１日１時間以上実施していますか。
12：ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い。
13：食事をかんで食べる時の状態はどれにあてはまりますか。
　１.何でもかんで食べることができる。
　２.歯や歯ぐき、かみあわせなど気になる部分があり、かみにくいことがある。
　３.ほとんどかめない。
14：人と比較して食べる速度が速い。

随分プライベートに踏み込んだ質問で、おまけに細かい。
こんな事を聞いてくるひととは付き合いたくないな。
12は、比べる相手によりすぎるし、14も周りも速かったら速くても普通じゃないか。
13に関しては、ここで相談してもどうにもならなそうだ。深刻だし。

全体的になんとなくだが、「どうせ偏った食生活をしていて、野菜不足で、運動せずに、パソコンの前にばかりいるんだろ？で、生活リズムもいまいちなんだろ？」
と、言われている気分になる質問の仕方だ。

私はだいたい野菜中心の自炊だし、昼ご飯も弁当を作ってるし、パソコンの前にいるのは仕事だから仕方ないが、朝ヨガや筋トレをしている。通勤は電車利用で、徒歩含め片道一時間、エスカレーターより階段選ぶ派、座るより立っている派だ。
そういう人だって、勤め人おばさんやおじさんの中にだっているんだよ。
と、いいたい。

それに、健康的と呼ばれるような生活を送っていようといまいと、勝手ではないか。好きにされてくれよ。

21：運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか。
　１.改善するつもりはない。
　２.改善するつもりである。（概ね６か月以内）
　３.近いうちに（概ね１か月以内）改善する。
　４.既に改善に取り組んでいる（６か月未満）。
　５.既に改善に取り組んでいる（６か月以上）。

ここでの答えとして、私は１の改善するつもりはないと答えるのが、態度として自分に一番合っていると思うのだが、改善するつもりはないという回答は、改善する何かが非常にあるにも関わらず応じない、といった意味に捉えられそうである。
そういうつもりではないんだよ。
と、言うわけなので渋々５の既に改善に努めている を選ぶ。
不本意である。
あまりに一方的ではないか。
決めつけにかかってくる頑固な人と話しているうちに、
「もしかして、あれ？　私が頑固なのかな？」　と、なる気持ちに似ている。

22：生活習慣の改善について保健指導を受ける機会があれば利用しますか。
　１.はい
　２.いいえ

小さな抵抗として、次の設問には。
2の「いいえ」を選ぶ。
やはり、頑ななのは私の方なのか？
いや、「指導」とかいって随分偉そうな相手で、中学校の生活指導の先生を思い出す。オールドレイバンみたいな形の眼鏡をかけて、何故かいつも1ｍくらいの長い棒を持った先生だった。
あの時代、何故か棒を持っている先生はよくいたが、あれは武器だったのだろうか？　ヤンキーが多かったからかな。
と、20年以上忘れていたような事を思い出す。

ああ、なんだかもやっとするよ。

そんな、健康診断前日の夜です。