小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』7/16(火) 【第26話 Keep it real】
それから週1回、通院することになった。
始めのうちは、精神科を受診していることが
人に知れないよう身を隠すように行っていた。
診察と言っても、基本的には話をするだけだ。
最初に生活状況を聞かれるのは同じだが、
その後はその日によって少し違う。
ただ定年前の事を聞かれ色々話をしていると
自分でも気づかされることは多かった。
自分の道は自分の手で切り拓いてきたという
自負はあったし実際にそうだとも思ってる。
その一方、固有の組織に身を置いていた事で
その組織特有の価値