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映画“宮松と山下”と小児科医

好きなやつ見つけた!すごくおもしろかったです。台詞が極限まで削ぎ落とされていて、始めは何が起きているのか分かりづらいのですが、ちょっとした仕掛けが施されていたり、画が素晴らしかったりするので、ひと時も目が離せません(オープニングがいい)。その状況が1時間27分ずっと続き、最後まで多くは語られないのですが、それを補って余りあるほどに宮松の表情や仕草が素晴らしいんです。「目は口ほどにものを言う」と言いますが、彼のことを言ってるんですね。こういう作品大好きです。特に終盤で彼がゆっくりとショートホープを吸うシーンは鳥肌ものでした。忘れられない作品になりそうです。褒めすぎかな。

監督集団5月(佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太朗)による2022年の作品。佐藤雅彦さんはピタゴラスイッチのあの佐藤さん。経歴がすごい方ですが、ホントになんでもできるんですねぇ。

宮松は端役専門のエキストラ役者。ある日は時代劇で弓矢に打たれ、ある日は大勢のヤクザのひとりとして路上で撃たれ、またある日はヒットマンの凶弾に倒れ......来る日も来る日も殺され続けている。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。なにも思い出せない中、彼は毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続けるのだった......。

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