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先生がコドモンで一日研修!中学校教員が感じた「学校業務におけるオープンコミュニケーションの必要性」とは

今回は8/24(木)に「中堅教諭等資質向上研修(*1.2)」の一環として、A中学校主任教諭のB先生を東京オフィスにお迎えし一日研修を行いましたので、その様子をご紹介します!

中堅教諭等資質向上研修とは

文部科学省が現行法において定めている教員の「法定研修(*3)」には、新任教員向けに設置されている「初任者研修(*4)」と中堅教員向けに設置されている「中堅教諭等資質向上研修」があります。「中堅教諭等資質向上研修」の目的は、教育活動や学校運営の円滑な実施において、中核的役割を担う教員の資質を向上させることとされています(*1)。

*1:中堅教諭等資質向上研修https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenshu/1244839.htm

*2:東京都公立学校中堅教諭等資質向上研修Ⅰ実施要綱・実施細目
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/static/reiki_int/reiki_honbun/g170RG00004891.html

*3:法定研修
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuugyou/yougo.htm

*4:初任者研修
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kenshu/1244828.htm

今回の研修を通してコドモンが目指す「持続可能な社会」のあり方とは

コドモンは、今回の研修によって持続可能な社会の実現に寄与することを目的に、研修をお受けしたいと考えました。

持続可能な社会とは、例えばすべての先生が長く教育現場で働くことができる環境をつくり、子どもたちに公平で質の高い教育を提供できる状態です。子どもたちには、働きがいがあり、持続可能な働き方を実現している会社の実例や持続可能な開発をするための知識などを習得できる機会を提供する必要があるので「将来のキャリアの選択肢を広げる」という観点で貢献できると考えています。コドモンのさまざまな職種や働き方が子どもたちにも伝わり、「このお仕事おもしろそう!」「実際どんな雰囲気でお仕事しているんだろう」と、興味を持った生徒には職場体験やコドモンメンバーへのインタビューなどの実施も提供したいと考えておりますので、お気軽にご相談ください。子どもたちにとってまだ出会ったことがない職種にも触れる機会を提供することで、子どもたちが柔軟に将来のキャリアを考えられる環境を整えることに貢献します。女性のエンジニアメンバーから直接話を聞くことで「理系=男性」といった学術領域におけるジェンダーイメージの障壁を取り除くことにも寄与できると考えています。

これらは、17項目ある「持続可能な開発目標」のうち、以下の目標達成を目指すものです。

  • 質の高い教育をみんなに(4)

  • ジェンダー平等を実現しよう(5)

  • 働きがいも経済成長も(8)

今回実施した研修内容をご紹介します。

  • コドモンのさまざまな職種紹介

    • プロダクト開発に近い組織から実際にお客さまと接するセールスやカスタマーサクセスチームに至るまで、幅広い組織の担当者から各部署の取り組みの紹介

      • 経営企画チーム

        • サービス開発に関する点や開発現場の様子

      • カスタマーサクセスチーム

        • 比較的新しいカスタマーサクセスという職種の意義や内容について

      • インサイドセールスチーム

        • 型化されたコドモンのオンライン商談やチームの雰囲気

      • デスクチーム

        • コドモンの営業が”売ること”に専念できる環境を整備しているデスクチームの役割などについて

  • コドモンの働き方の説明や生産性を高める取り組みの紹介

    • 学校での働き方改革を推進していただくため、コドモンが日々の業務の中で省力化している点や生産性を上げるための工夫などをご紹介

研修後にはB先生にインタビューを行い、コドモンでの一日研修を通しての感想を伺いました。コドモンのさまざまな職種やそこでの取り組み・働き方に関しての率直なご感想に加え、学校での働き方との違いや学校業務の現実などについてもお聞きしました。

研修を終えてのインタビュー

■「子どもの未来」に本気で向き合う。コドモンの「想い」に惹かれ臨んだ研修

━━ はじめに教員の資質向上研修の目的や意図を改めてお聞かせいただけますか?

私は10年間教員として勤めているんですが、東京都の公立学校では10年目を迎えた教員には「中堅教諭等資質向上研修」という研修が用意されています(*2)。教員生活を一定期間過ごしてきた中で、よくも悪くも身についたものがあり、そこから自分自身の知見や視野をさらに広げていくことで、これから先の教員生活に活かしていこうというのがこの研修の目的だと考えています。

東京都の場合は、都の教育委員会が主体となって研修を実施していて、「校内研修」と「校外研修」の2種類があります。校内で行う研修ですと、教材研究などの学習指導や学校運営に関すること、生活指導関連の研修や最近だとデジタル技術の活用に関する研修も盛り込まれています。また校外で行う研修には、校外で幅広い経験を得る目的で今日のような民間企業見学が選択できたり、授業研究や進路指導に関する研修などを行っています(*2)。

━━ なぜコドモンで研修を受けようと思われたのですか?

個人的に私の子どもがコドモンを使っている保育園に通っていて毎朝コドモンを活用させてもらっているので、とても身近な存在でした。

実は2年ほど前にコドモンの人事の方から会社やサービスの魅力についてお話を伺う機会がありました。その際に、自社の利益だけではなく、その先にある保育園やそこで働いている保育者の方にこういうふうに使っていただきたいという「想い」をとても大切にしながら、社会課題に真摯に取り組まれている企業さんだなという印象を持ちました。いくつかの企業さんにお話を伺ったのですが、その中でも熱意のあるいい企業さんだったなと思い、熱量を持って社会や顧客、私の場合だと生徒や保護者に対して何ができるのか、価値をどう提供できるかという点に関して、よい刺激を受けられそうだなと感じたのがきっかけです。さらに保護者や保育者、子どもたちの未来に対する姿勢といった部分でも何か大きなものが得られるだろうと思い、今回コドモンさんに研修の依頼をさせていただきました。

━━ ありがとうございます。実際に今日一日、各事業部からの研修を受けられていかがでしたか?

コドモンの企業としての素晴らしさを改めて感じることができました。

例えば、経営企画の星加さんがおっしゃっていた「何か問題が起こったら表層の部分だけを見るのではなく、気づきにくい深層部分に目を向けることで本質的な問題解決に繋がる」というお話を聞き、フィールドは異なれど学校現場におけるさまざまな課題解決に関しても同じことが言えると感じました。また、カスタマーサクセス部のお話では、理屈にとても則って相手の成功という部分を測っていたのが、非常に興味深いお話だなと思いながら聞かせていただきました。

また、インサイドセールスチームの濱中さんのお話にあった「オンライン商談の型化」によって、例えば誰かが急にお休みしてしまっても、代理の方が同じクオリティで商談ができる仕組みがきちんと整備されている点はすごいなと感じましたし、デスクチームの磯田さんから「営業は商談の打席に立ち続けて、デスクがそのための環境を整える」というお話を伺って、同じように“先生が教壇に立ち続けるためのデスク”の存在も学校には必要だと強く実感しました。

■属人化しがちな学校業務。誰もが必要な情報にアクセスできる環境を

━━ 学校現場において本質に目を向ける必要がある課題としては、やはり先生方の働き方改革の問題が挙げられると思います。今日の研修の中で学校と民間企業での働き方の違いも感じられたかと思いますが、学校での働き方を見直すヒントや参考にできそうな点はありましたか?

学校現場では業務が属人化しがちなので、情報をみんなで共有し合うオープンコミュニケーションの大切さを改めて実感しました。

今日の研修の中で、例えば、メンバー同士のコミュニケーションはすべて「Slack」というツールを使われていて、他部署のコミュニケーションですらリアルタイムで把握することができる環境が整備されていたり、資料や会議の録画もすべてGoogle Driveで保存・共有されていて、情報の透明性が非常に高いなと感心しました。またバーチャルオフィス(コドモンでは「Gather」というツールを導入)も使われているので、リモートワークをしていてもいつでも誰とでも打ち合わせや会議ができる環境で羨ましいです。学校では、基本的に口頭での情報伝達がベースになるので、情報共有が遅れてしまうことが多々あります。例えば、生徒の転出入といった大事な情報さえも他の人がそのことについて会話をしているのを聞いて初めて知るといったこともありました。

学校によるとは思うんですが、データを自分だけのファイルに持っていて共有されていなかったり、データは共有されているものの共有フォルダのかなり深いところにあって他の人が見つけにくいこともあって、割と各先生のさじ加減に任されてしまっている部分があるので、みんながアクセスしやすいところにちゃんと情報を置いておいて、そしてそこに情報を取りに行くという姿勢は大事なことだなと感じますし、学校現場でも参考にできることだと思っています。

━━ 情報が整理されるだけでも、先生同士での仕事の分担や受け渡しなども容易になりそうですね。実際にコドモンをご導入いただいた保育園の先生方も、コドモンに情報がすべて集約されているので、職員同士でナレッジがちゃんと共有できて助かるというお話をいただいています。私たちもオープンコミュニケーションは非常に大切なことだなと改めて認識しているところです。

そうですね。ただ、個人的に学校現場において一番課題だなと思っているのは、学校の先生というのは割と職人気質なところがあって、生徒のために自分はこの業務でここまでは関わってあげたい!といった強い思いがあったりするんです。そうなってくると、他の人が仕事を巻き取ることが難しくなってしまうなと感じています。ただ先生が扱う情報には、生徒の個人情報なども多いので、1人の先生で情報を抱え込んでしまうと大切な情報が見えなくなってしまうことも考えられますし、先生ごとで対応に差が出てしまうようなことがあると、最終的には生徒や保護者にも迷惑がかかってしまうのでそういったことも避けなければいけません。そう考えるとやはり、特定の先生でなくても対応可能な業務については、他の人が巻き取ったりみんなで分担し合うことが大切だなと感じます。

例えば、担任や副担任で仕事の受け渡しを行ったり、それこそ学年の中だけでも情報が共有されやすくなれば他の人が代理業務できる幅は広がるのかなと思います。また、スクールサポートスタッフのような、学校を支援してくださる人員を配置してもらえると、教員が教員本来の仕事により注力できる仕組みが整うだろうなとも感じますし、書類作業の量が多い一定の期間だけでも、特別に予算をつけてスクールサポートスタッフを雇うといったような人材の補充があるととても助かります。

━━ 業務の分担にしてもサポートスタッフのような人員補充にしてもそうですが、やはり現状の課題にメスを入れたり新しいことにチャレンジする際には、最初の一歩を踏み出すハードルが一番高いのかなと思うのですが、その点はどうでしょう?例えば、新しいツールを導入しても使い方において失敗したくないとか、自分が最初にツールを使えるようになったら他の職員にも使い方を教えていかなければならないなどの葛藤がありそうですが……

最初の一歩のハードルが高いというのはあると思います。情報の共有に関してもきちんと共有しあえる仕組みを整えていけば、情報を色々な人が活用できたり業務自体が圧縮されて省力化に繋がったりと本来助かる部分が大きいと思うので、最初をどう乗り越えるかかなとは思います。

ただ、やはり現状維持が一番楽じゃないですか(笑)。新しいことで失敗したらどうしようというよりかは、学校現場の現状として目の前のことをこなすのに本当に精一杯になっていて、ここがもっとこうなればいいのになっていう発想がなかったり、あるいは無意識にこういうものだからしょうがないよなって思っちゃってる部分が結構ありますね。新しいことにチャレンジするのは夏休みとかの時間がある時にして、今は目の前の”これ”をやらなくちゃ!と思っている間にいろいろな業務で埋もれていってしまって......

ですから、せっかくツールとしてはいいものが導入されても、忙しさのあまりうまく使いこなせていないこともあるんです。例えば、私の中学校では校務支援システムを使っているんですけど、 お忙しい先生が1人で使い方に関する対応をされていると、どうしてもその先生のところで情報がストップしてしまって周りの先生方も使い勝手がよくわからないので、とりあえずみんなが使い始めるまでは待とうかみたいなことが起きたりもしています。

━━ 忙しさゆえに便利なツールでもなかなか使いこなせないこともあるんですね。徐々に手の届きそうな部分から改革をしていくとしてもさまざまなハードルがあるとは思いますが、例えばオープンなコミュニケーション環境の整備や教員同士、スクールサポートスタッフ等での業務分担といった点は、今の中学校では取り組めそうですか?

そうですね。学校としてはもう少し省力的な働き方ができるんではないかなと思っています。幸運にも私の学校の管理職の先生方は、働き方改革などに熱意を持って取り組んでいきたいとおっしゃっているので、民間企業では業務においてこういった省力化を図っていました、といった共有は比較的しやすい土壌はあると思っています。例えば、今の学校では夏休みなどに在宅勤務ができたり、子どもたちが時間や場所に縛られることなく勉強ができるよう、ICTの活用もコロナ禍で推進されたと感じています。そういった、改革を行う土台が今の学校にはあると思うので、何かしらの形で今日の学びからヒントを得て、学校業務をもう少し省力化できるのではないかなと思います。

また私は後輩や組織全体のことを考える中堅教諭の立場でもあるので、管理職の先生に対して「民間企業のこんなところがすごくよくて、学校でもこのあたりの業務はもっと省力化できるんじゃないですか」といった提案を積極的に行っていきたいと思っています。

━━ どうもありがとうございます。ぜひB先生のお力で今の学校の働き方をさらによりよくしていただけることを期待しております。

■子どもたちの頭の中の「社会貢献」を変えていく

今回のように民間企業が提供できる研修としては、どのようなものがあると学校教育、そして子どもたちにとってよりよいものになりそうですか?

子どもたちの今後のキャリアを考えると今は本当に過渡期だなと思っていて、ライフステージに応じていろいろな働き方ができるんだということを、柔軟な働き方を推進されている企業さんから直接お話いただく機会があると、子どもたちにとってもリアリティがあっていいんじゃないかなと思います。

あとは「社会貢献」といった観点でも、実際に企業さんからそれぞれの会社のお話(誰にとって価値のあるどんなサービスを提供しているのか)をしていただけると、子どもたちが「社会貢献」という概念をイメージしやすくなるのではないかなと思っています。

実際「社会貢献」は、子どもたちにとってなかなかイメージしにくいものかなと思っていて、学校の先生が「社会貢献」という言葉を使っても、例えば校舎の周りをゴミ拾いしたりすることでしょみたいになってしまうのですが、本当は社会に対して貢献できる部分はたくさんあって、すべての仕事が誰かのそして何かの役に立っているんだということを子どもたちに実感してもらいたいなと思っています。誰かの役に立つことであったり、周りのために何かをするのがすごく好きな子もいるので、そういった子どもたちの身近なところで「自分たちが使ってきたアレも、これから関わるコレもさまざまな繋がりや社会に貢献するということが前提にあるんだ」ということ、いろいろな部分で世の中は関わり合っているんだということをイメージできる機会になると思いますし、リアリティを持って受け止められるのではないかなと思っています。

━━ 子どもたちにとって「社会に貢献する」というイメージが広がるだけでも、その先のキャリアを考える第一歩になりそうですね!今回の研修は10年目以降の先生を対象としたものでしたが、例えばこういった研修をもっと早い時期に行いたいなどの希望はありますか?

刺激を受けるのはやはりすごく大事なことだと思いますし、もっと民間企業での研修があってもいいんじゃないかとは思います。ただ、10年目を迎える教員としてだからこそ、学校がどれだけ民間企業に対して遅れているかみたいなことを改めて感じるタイミングとしてはすごくいいのかなとも感じますね。

━━ 中堅教員としてこれまでのご経験や積み重ねがあってこそ民間企業研修で気づけることもきっとありますよね。B先生は企業で間接的に教育と関わるというよりも、やはり教壇に立って直接子どもたちと関わるというほうが理想的ですか?

そうですね。生徒と直接関わることで、「先生のおかげで〇〇だった」と子どもたちに言ってもらえるのはすごく糧になっています。それを味わうとなかなか抜け出せないです(笑)。一方で、今はライフステージとしてなかなか担任を持ってみっちりやることがどうしても難しいです。でも直接子どもたちと関わる部分には、やはりなにものにも変えがたいものを感じます。

━━ どうもありがとうございます。本日お話を伺って、情報の集約という点など学校業務における省力化の必要性を感じつつも、同時に日々の業務に追われる中で”現状維持”が優先され改革が後回しになってしまっている現状にも改めて目を向けることができました。先生としてこれからも子どもたちの成長を見守られるB先生のさらなるご活躍を応援するとともに、学校業務が一日でも早く省力化され先生方が”先生にしかできない役割”に注力できる環境になるよう、コドモンとしても引き続き尽力してまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

【株式会社コドモン 会社概要】
◆所在地:東京都港区三田3丁目13−16 三田43MTビル 3F
◆資本金:68,250,000円
◆代表者:代表取締役 小池義則
◆WEB:https://www.codmon.co.jp/
◆事業内容:子どもを取り巻く環境をより良くするための事業を手掛け、働く人にとっても働きやすい組織づくりを体現。子育てに優しい社会に変わるよう多角的に環境整備を行い、社会に貢献する。
◎こども施設職員の労働環境を整え、保育・教育の質向上を支える子育てインフラとしての保育ICTシステム「コドモン」の開発・提供。2021年度のサービス継続率は99.8%。2023年10月末時点で、全国約16,000施設、職員約33万人が利用。全国約448の自治体で導入および実証実験の導入が決定。導入施設数・自治体導入施設数・契約自治体数でシェア1位(※)
◎保育士採用を支援するウェブサービス「ホイシル(https://www.hoicil.com/)」の提供。こども施設が簡単に施設の魅力を発信でき、保育学生や再就職希望者が採用情報にアクセスしやすいような情報提供を行う。
その他、保育園向け写真ネット販売「コドモンプリント(https://www.codmon.com/print/)」こども施設を対象とした専門のECサイト「コドモンストア(https://store.codmon.com/)」、現場で働く保育者の資質や専門性向上を目的としたオンライン研修サービス「コドモンカレッジ(https://college.codmon.com/)」、こども施設職員への福利厚生サービス「せんせいプライム」などを展開。
※(2023年1月株式会社東京商工リサーチ調べ)

<<お問い合わせ・ご質問等>> 
株式会社コドモン 広報
press@codmon.co.jp 
080-7303-6026/080-4466-6738
TEL: 03-6459-4318
FAX: 050-3737-7471

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