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機械学習の過学習とお受験について

こんにちは、K研究員です。

私は本職は機械学習などを専門にしている研究者ですが、最近子供のお受験について考え始めたので書いてみます。

お受験対策は機械学習の過学習と同じ

機械学習の世界には過学習(過適合)という言葉があります。これはオーバーフィッティングとも呼ばれます。コンピューター(AIと言ってもいいかも)が何かを学習する際に、学習データやテストデータに過剰に最適化されて、それ以外の一般的なデータに弱くなってしまう状況を指します。

例えば、書類を学習して必要な書類といらない書類を分類する機能を作ろうとします。必要な書類は失くしたら困るのでパンチで穴をあけてひもを通して保管していたとします。いらない書類はいくらでもあるので適当に持ってきます。
これをコンピューターに学習させると、パンチ穴があるかどうかだけを見れば、必要な書類といらない書類が区別できるので、コンピューターはパンチ穴だけを見るようになってしまいます。

これと同じことがお受験や中間テストでも起こります。過去問の出題傾向などに過剰に適合して勉強することで、一般的にはあまり使えない知識ばかり身についてしまったりするわけです。

過学習は悪いことだけではない

とはいえ、過学習も悪いことばかりではありません。機械学習の世界でも、そういうものだと割り切ってやってみることで目標が単純化され技術開発が進むことがあります。

お受験、おテストもそういうものだと理解したうえで時間をかけすぎずに過学習していくことはそんなに悪くないでしょう。
お受験というある種の競技に臨むためには出題傾向の把握だけではなく、体調管理、毎日継続して勉強する習慣、わからない問題が出たときのメンタル管理とリカバリーなど他の競技に応用できる要素が多数身につくのです。

しかし、お受験の成績が良いから他の分野でも通用すると過信してしまったり、お受験がすべてと何年もそれに時間を費やしてしまうのはあまりよくないかもしれません。

本当にできるようになってお受験を突破するのが一番

コンピューターがパンチ穴の有無というような本質的な意味のない情報ではなく、中に書かれている言葉やレイアウトといった本質的な情報から判断するほうが良いように、お受験も本質的に算数や国語ができるようになって突破するのが良いのは言うまでもありません。

そもそも、お受験の出題者は過学習してほしくて問題を作っているわけではなく、本質的に理解した人を入学させたいから問題を作っているはずです。

  1. 本質的に算数ができる(日常生活の中の問題を算数に変換してそれを解くことができる)

  2. 本質的に国語ができる(文章を書いてある通りに読み、書いてある通りにアウトプットできる)

  3. 本質的に英語ができる(英語で書かれた文章が読み書きできたり、英語で話したりできる)

このような状態になることが前提で、+アルファで過学習を行って最終調整をするというようなそういう家庭教育を目指したいななんて思います。

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