“For”から“with”へ
執筆者:川村和弘(北九州市立大学)
2023年も年の瀬が近づき、日常よりも長い時間軸で何か考える良い機会と思い、「DX後の大学事務職員に求められる創造性」とか「生成AIの発展によりPh.Dの価値や意味が変化する可能性」などといったテーマで書いてみようとしました。ところが、まったく内容が浮かびません。そこで生成AIの一つ、Claude 2( https://www.anthropic.com/index/claude-2)に尋ねてみたものの、あらためて人間の創造性を発揮することの大切さを説かれ、その出力結果をコピペするだけでは創造性もあったものじゃないなと深く反省させられました。
そんな日々を過ごしていたところ、コーディネーターとして関わっている「旅する教室」というイベントで、心に残る言葉と出会うことができました。
「教育は教師のためにあるのではなく、教師とともにある」
”Education with teacher”という登壇者の言葉。
そこから私が想像を広げてみたのがタイトルに選んだ“For”から“with”へ、という視点です。
「子どものため」「学生のため」という“for”には、いつの間にか「親のため」「大学のため」に転じる危なさを感じます。
その一方で、「〇〇とともに」という“with”には、様々な場面での対話につながる可能性を感じます。
codempも、だれかの何かのための場というより、ともにつくっていく“with”な場かもしれませんね。
業務改善のためのDXから教職員とともにあるDXへ、社会のための研究から社会とともにある研究、学習者とともにある大学…
2024年は、そんな“with”というスタンスが中心にある場を、ともに創造していきたいと思います。