見出し画像

俺たちのシビックテック道はこれからだ! - Code for Mitaka / Musashinoの活動事例

これは「CivicTech & GovTech ストーリーズ Advent Calendar 2020@Qiita」の第21日目の記事です。

イントロ

最初に記事をどこに書こうか、やはりこのAdvent Calendarが行われているQiita上で書くかなど少々迷いましたが、Qiitaはプログラミングやコーディングに関する学び等のアウトプットを行う場所というイメージがあります。エッセイ的な読み物を想定していたので、これを機にCode for Mitaka / Musashinoとしてのnoteを開設しました。

ふつつか者ではございますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m あ、私代表をやっている石井と申します。

さて、最初からクライマックスみたいなタイトルで始めてしまいましたが、予告/仮タイトルは「多様性とシビックテックと私」でした。これは「部屋とYシャツと私」という往年の名曲の言い回しが好きで、何も決めていないとき私はとりあえず「○○と△△と私」みたいな仮タイトルにします。つまり適当です。すみません。あと「冷静と情熱のあいだ」形式で「hogehogeとfugafugaのあいだ」みたいなのも好きですね。はい、どうでもいいですね。

---

Code for Mitaka / Musashinoってこんな感じ

今年2020年1月、Code for Mitaka / Musasino(以下CfMM)は再始動しました。

およそ一年、私たちなりの速度で歩みを重ねてきたつもりです。もともとCfMMは2016年に立ち上がっていました。数々の出会いが重なり今年1月にシビックテックやりたいマンとして手を挙げ、三鷹在住の私が引き継がせて頂くことになりました。

活動を再び始めてまだ1年ということで、本当はシビックテック ルーキーズの「CivicTech1年目」Advent Calendarへ参加が良いのかもしれませんが、ストーリーズ(これまでの活動の物語)の方が合っている気がしてこちらに書くことにしました。

引き継ぎ時の実働メンバーは私1人。それから10か月ちょっと経った現在、興味を持って参加してくれる方の人数は順調に増え、在住実働メンバー10人、オブザーバー/アドバイザー的なメンバー5~6人を数えるまでになりました。

公式FacebookページTwitterなどのSNSの運用や団体公式サイトも独自に新設しましたが、それをきっかけに私たちのことを知ってくれた方も多く、実際にメンバーとして飛び込んできてくれた方もいるので、コツコツと少しずつでも続けてきて良かったなあと思っています。

7月以前の半年間の活動の軌跡は以下の発表スライドでまとめています。2020年6月頃はメンバーが4人でしたね(懐...)。

「Code for X」の意味を考えよう!

Code for (コード・フォー)やシビックテック/ガブテックという言葉や活動って、なかなか普通には伝わりづらい(実態が分かりづらい)し、思った以上に興味を抱いてもらえないようです。地域で活動する人や、そもそもITに詳しくない人・苦手意識のある人と接したり、話したりしていると実感としてあります。

そこに、行政が~とか政府が~みたいな話が入ってくると、もっと敬遠する人も、もしからしたらいるかもしれません。扱う範囲がとても広く、だからこそシビックテック/ガブテックは十人十色、100人100通りと言えるのかもしれませんね。

さて、ここで一つの命題があります。

Code for X すなわち、Xのための「Code(コード)」とは一体何を指すのか?

カンのいいIT・Web業界の人やその辺りの知識がある人ならば、Codeとはプログラミング言語などで書かれたコンピュータや機械を動かすソースコード(おもにアルファベット・記号等で構成された文字列)のことだろうと何となく予想がつくでしょう。「プログラミングなどのIT技術をX(何か)のために捧げ、駆使し問題解決することなのだな、よしそれなら我々IT技術者の出番だ」と思うかもしれません。

しかし、Codeという英単語には「規約」「規則」「慣例」「法典」といった意味もあり、一概にプログラミングのソースコードのことだけとは言い切れません。

拡大解釈すると、「Code(コード)」とは私たち市民生活を営む人間ひとりひとりが、もっと自分たちの生活を良くしたいという"思い"、それによって起こす"行動(アクション)"のことだと私は考えます。

プログラミングの知識がなくても、IT関連技術者でなくても、どんな人でもシビックテック(Code for)活動に参加することが可能です。「地域やその暮らしのために何かをしたい」という衝動そのものがCode forと言ってしまっていいんじゃないでしょうか。

そして「地域」や「暮らし」における主体・主役とは何でしょうか。「人」ですよね。つまり、すべての人の思いや行動をつなげ形にしていく活動がCode forでもあるのだと私自身はとらえています。オープンデータやIoTなどさまざまな技術はそのための有効なツール、一手段に過ぎないのです。

もしこの文章を読み「自分にも何かできることがあるかも」と興味を持ってくださった方は、日本全国各地にあるCode for(ブリゲード)やお近くのシビックテック団体を探して、ドアを叩いてみてはいかがでしょうか。

活動方針から1年の軌跡を振り返る(CfMMのご紹介)

私たちCode for Mitaka / Musashinoについても紹介がてら多少振り返ったりしてみましょう。

現時点で掲げている3つの活動方針というものがあります。それらに沿ってどんな活動をしているか、実践できたかを振り返ってみたいと思います。

1. 地域そのものや地域活動との連携、連動

私個人がやはりCfMMの理念や活動が基軸になったことで、三鷹市や武蔵野市で暮らすいろいろな人たちや行政の方たちと、コロナ禍のなかでもつながり関わることがよくできたのではないかと思っています。三鷹市発行誌の編集委員をお引き受けしたり、近いところでライティングのお仕事などもしていたりします。2019年までは考えられなかったことです。

東京23区に隣接しながら多摩地域でもあり、ちょうど境目ともいえる武蔵野市・三鷹市はその地勢的な特徴から、都市と自然が良い加減で調和した住みやすい街になっていると思います。井の頭恩賜公園と玉川上水沿いの緑道が存在し、都市農業が割と盛んであることもその一因でしょう。そして、何より街に暮らす人々の市民活動・地域活動が盛んで、私たち自身もたくさんの団体やその中の人々とのつながりを得ることができました。

詳しくは以下あたりの記事もご参照ください。

地域だけでなく、全国また近隣のCode forブリゲードやシビックテック団体とも関わりながらぜひ協働していきたいですし、そうしたイベントにも参加したり、遊ぶように楽しく企画・開催したりしています。いろいろなCode forやシビックテック団体の方とお話したり、交流する機会も実際増えました。外と中、両方と交流することで連結点(ハブ)となって、良い循環が地域にも生み出せるのではないか、との考えに基づいて行動しています。

2. 「オープンデータ利活用」と「IT・Webで街と人をおもしろく」

2については、オープンデータの利活用ではありませんが現在、あるメンバー提案で「プラスチックフリーのお店地図」というエコな取り組みをするお店をWebマップ上で見られるようにしよう、というプロジェクトの開発が進んでいます。これを持ってCode for Japan主催のソーシャルハックデー(Social Hack Day)にも今年数回参加しました。

そしてこの「プラスチックフリーマップのお店地図」をベースに、今後防災オープンデータを利活用した地図Webアプリなどの形で、データを載せ替えれば横展開が可能な汎用的なものにするべく開発を進めたりもしています。

ほかにも上にリンクを貼った、三鷹ネットワーク大学との協働研究事業である就労支援コンテンツ「mikkework(ミッケワーク)」もプロジェクトとして進行中です(これもあるメンバーが主体となって進めています)。

また、世界の大半のWebサイトで使用されているCMS(コンテンツ管理システム)であるWordPress。そのコミュニティのイベントとして三鷹・吉祥寺 WordPress Meetup主催・運営を行っています。下の画像の可愛いキャラクター(ご当地わぷー)もメンバーで制作しました。

画像1

5月に開催されたオンラインチャリティハッカソン「do_action Japan 2020」では2(+1)名が運営・参加しました。活動拠点が三鷹・武蔵野の団体として「クリエイティブライフデザイン」「えんがわ家」「みんなの直売所MAP」がWebサイトを新設するのをお手伝いしました。

ほかにも、水面下でいろいろとイベント(体験型ワークショップやものづくりイベント)を企画・進行したりしていたのですが、いかんせん感染状況もありなかなか開催に踏み込めません。今後にご期待ください。

このような活動を通して、IT・Webで街と人をもっとおもしろく、盛り上げていくことを掲げながら活動していきたいと思います。

3. アクセシビリティ/インクルーシブなど多様性を大切に

3番目の方針は内容的に検証するのが少し難しいのですが、国連が掲げる国際目標SDGsのスローガン「誰一人取り残さない (Leave No One Behind)」と似たものというかほぼ同じだととらえてもらえれば幸いです。

イベントサポート、配信サポートなどをするなかで、コミュニケーション支援・会話の見える化アプリ「UDトーク」の活用推進や、アクセシビリティ/インクルーシブの考え方をテクノロジーで示し広げていくことなどもできることのひとつでしょう。

また、1年足らずで10人も能動的に活動する仲間が集ってくれたことも多様性の実践といえるのかもしれません。メンバーが複数人になって以降は月一回のミーティング(井戸端会議)をさまざまな形で続けてきました。9月には一度だけオフラインで集まっておいしいものを食べ飲みするイベントも催しました。機会があればまたやりたいです。

とにかく活動を「無理なく、楽しく続ける」ということをモットーにやっています。

画像2

写真はオンラインメンバーミーティングの様子 ↑

宇宙版オンライン人狼ゲーム「Among Us (アマングアス)」をYouTubeとFacebookで、ゲストを招いて楽しくマルチライブ配信したり ↓

今後について

メンバーと話し考えていることや企画が進んでいることはたくさんあるのですが、2年目以降も引き続きとりあえずひとりひとりがやりたいことを取り留めもなくゆるっと継続しながらやっていければいいかなあ、なんて私自身は思っています。

団体としてこうしていきたいとかはあまりなくて、誰かがやりたい旗を掲げて、おもしろそうだったらみんなでやってみる、という感じです。自分たちの活動を学校の部活動になぞらえて、以下のような記事を書いたこともありました。

結果的に地域の人や物事、行政の課題解決とも結び付けていくことは常に念頭に置き、踏まえつつといった感じでしょうか。もちろん、オープンデータとかIT(ICT)テクノロジーの有効活用も視野に入れながら。また、行政サイドとの連携や対話・協働の機会もより増やせるように活動していきたいと思っています。

最後に

長くなりましたが、記事タイトル通り「俺たちのシビックテック道はこれからだ!」ということで、これからも打ち切りにはならないようがんばっていきたいと思いますので、Code for Mitaka / Musashinoをどうぞよろしくお願いします。

ここまで読んで頂き、どうもありがとうございました。

おしまい (三鷹の森より)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?