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親子で楽しく遊びながらAIを学んでみた〜Papa to Children×みんなのコードイベント開催レポート〜

こんにちは。みんなのコード未来の学び探究部の竹谷&政策提言部の田嶋です。
先日、一般社団法人Papa to Childrenさんとのコラボ企画で「”これからの情報(AI)教育”について子どもと遊びながら学ぼう!」というイベントを実施しました。

みんなのコードとしては、初のパパコミュニティとのコラボ。今回は、講師を担当した竹谷と、イベントの様子をレポートしたいと思います。

竹谷 正明
東京都公立小学校教諭として30年間勤務。一人1台端末やプログラミングを取り入れた授業の実践に取り組む。2017年、みんなのコードに参画し、講師として全国の学校や教育委員会にてプログラミング教育普及のための研修などの活動を進めている。また積極的にSNSで教育やプログラミングなど全国の先生方に向けて現場で役立つ情報発信をしている。

学校の外から公教育をアップデートする──未来を切り開く「先生の次なるキャリア」

どんなイベントだった?【遊ぼう編】

田嶋 さて、竹谷さん。今日は対談形式で当日の様子を振り返ってみたいと思います。イベント当日、竹谷さんはスペシャルスタイルで登場してくれましたね!
竹谷 親しみやすさを演出してみました。教育テレビに出てきそうでしょ?笑

田嶋 最高です!イベント当日は年少〜小学校の子どもとその保護者を対象に、3つのAIサービスを利用したワークを行いましたね。一つずつ紹介してくれますか?

① お絵描きクイズゲーム 〜Quick, Drawで遊ぼう〜

竹谷 まずは、Google が開発したオンラインゲーム Quick, Draw! を体験してもらいました。20秒でお題に出された絵を描き、AIに判別してもらうというゲームです。

田嶋 20秒という限られた時間の中では、シンプルに、特徴を捉えて描かなければなりませんよね。何度もトライして熱中する子どもの姿が見られました。
竹谷 お題の中には、”シュノーケル”、”教会の会衆”といったやや難しいものもあり、「このお題なに?」「これを書いてみたらわかるんじゃない?」と親子で会話をしながら遊んでいましたね。大人の方が夢中になってしまう場面もありました。

竹谷 体験の後には、このゲームの仕組みも簡単に紹介しました。何が描かれているかだけでなく、どんな順番で描いたのかも調べて、AIが絵を当てているそうです。
田嶋 これまで、1,500万人以上がQuick, Draw!を体験しているんですよね!

② 落書きを きれいにしてもらおう 〜AutoDrawで遊ぼう〜

竹谷 次に体験したのは、AutoDrawというサービスです。こちらもGoogleが開発したサービスで、「落書き」をすると、AIが何を描こうとしているのかを予測し、一致しそうな候補のイラストを表示してくれるというものです。

竹谷 とても印象的だったのは、カメハメ波をうまく描きたいと思っていた子が、「本当に分かってもらえた!キレイな絵になった!」と喜んでいた姿です。

田嶋 子どもだけではなく、「絵なんて描けないよ・・・」と言っていた保護者の方も「自分の絵でも分かってもらえた!」と感激していましたよ。
竹谷 子どもも大人も一緒に楽しめる、どちらの苦手も助けてくれて同じ土俵に立たせてくれるという、テクノロジーの良さを体験してもらえた瞬間だと思っています。

③ おはなし 出てこい 〜ChatGPTで遊ぼう〜

田嶋 3つ目の「ChatGPTにお話を作ってもらおう」という体験も楽しかったですね。
竹谷 このワークでは、ChatGPTに小学生向けのお話を作ってもらいました。参加者に「誰に登場してほしい?」と投げかけたところ、「騎士!」「探偵!」というリクエストがあったので、「騎士と探偵が出てくる、小学生向けのお話を作って」と試してみたんです。
田嶋 どんなものが出てくるかとヒヤヒヤしましたが、ちゃんと楽しいお話になっていました。
竹谷 「読み聞かせる絵本のバリエーションに困ったら、子どもと一緒に楽しめるお話を作ってもらえそうだ」という感想を保護者の方からいただくなど、これも好評でした。

どんなイベントだった?【学ぼう編】

田嶋 イベントの最後には、保護者向けに「なぜコンピュータやAIの特性を学ぶ必要があるのか」というプチ講演を行いました。
竹谷 社会の変化、それに伴う学校教育の変化を紹介しながら、子どもたちが大人になったとき社会はどうなっているのか、その社会でどんな力が必要なのかを考えてもらえるようなお話をしました。

田嶋 「そのために親はどうしたらいいのか?」という参加者からの問いに対して、竹谷さんが「正解はない、関われることからやっていこう」という話をされていたのが印象的です。
竹谷 みんなのコードが共同研究している印西市立原山小学校では、学校とPTAが連携して「生成AIを中心とした高度技術への向き合い方」という独自のガイドラインを作成しました。家庭でのお子様との関わり方だけでなく、学校・社会との関わりの中で、できることを見つけていただきたいと考え、こうした事例も紹介しました。
田嶋 参加された保護者の方からはイベント終了後のアンケートで、

  • 子供達のこれからの生活に必須であるITやAIについての知識や技術を(学校で)十分教えることをしていない事に危機感がある

  • 教員次第になるのは本当に困る

  • 急速な時代の変化を感じるので、一定の時間を確保したほうが良いと思います

といった情報教育の充実を望む声が聞かれた一方、

  • 教師に全て任せるのは限界だとおもうので、専門家の協力を得ながら展開していければとおもう

  • 中途半端にやる必要はないという考え。教員不足の問題もある

  • 他の要素(いじめ、ハラスメントなど)への解決の方が優先されるべき

  • 現状の予算、学習指導要領上は(今のままでも)仕方ないと思う

など、「現状の教員の負担を考えるとこれ以上の充実は難しいのではないか」といった指摘もいただきました。
竹谷 情報教育の充実を考える上で、どれも貴重な意見ですね。

Papa to Childrenさんとは?


田嶋 今回、素敵な機会を提供いただいた一般社団法人Papa to Childrenさんについて、最後にご紹介したいと思います。
竹谷 現代のパパたちは「男らしさ」に縛られたり、小さなプライドにとらわれたり、自分の本音に素直になれない面がある。Papa to Childrenさんは、そんなパパたちが互いに等身大の悩みや想いを持ち出し、支え合える場である「パパ未来会議」を提供していらっしゃいます。

田嶋 「大人になることが楽しみな時代を創り続ける」というミッションが素晴らしい!
竹谷 代表の三田村さんがとてもアツい想いをもって活動なさっているので、今後もぜひご一緒していきたいです。
田嶋 会場を提供いただいた、成城学園初等学校様にも感謝申し上げます!

やってみて


田嶋 今回、このようなイベントをやってみてどうでしたか?
竹谷 ふだん私は小学校の先生方向けの研修を担当していて、親子向けワークショップはあまり経験がありませんでした。内容も初めてやってもらうものだったので、実は内心ドキドキだったのですが、予想以上に楽しんでいただけてすごく手応えを感じました。子どもも大人も一緒に楽しんでいる姿って、とてもいいですね。ぜひ、またやってみたいと思いました!

みんなのコードはこれからも、様々な関係団体と連携し、みなさまの声を聞きながら、未来の情報教育がどうあるべきか考えていきたいと思います。

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ここまでお読みくださりありがとうございます。
みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小中高でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動し、多くの方からのご支援をいただきながら取り組んでまいりました。
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