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Code for Nerima多言語カフェ #012

11月14日(木)、多言語カフェが開催されました。10月の八王子開催が台風で流れたので久しぶりの開催となります。

今回は10月に参加した練馬産業見本市で知り合った方たちが来てくださって、はじめての方が多い回となりました。

このワークショップはいろんな制限をつけながら会話をしてマジョリティやマイノリティになった自分を体験するイベントです。目隠しをする、声を禁止、耳栓をする、日本語禁止などなど、制限はこちらから案内するときもあれば慣れてくると自分たちで決めてからスタートします。

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こちらのグループは全員目隠しで。3人は一緒に参加された方たちでお知り合いですが、目隠しで距離感がつかめないためなんかよそよそしい感じになります(笑)。だれから話を切り出していいか、話したあとのリアクションはどうか、普段いかに「視覚」に頼ってコミュニケーションをしていることがわかります。

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このグループ分けはトランプを使って同じ番号の人と一緒になるのですが、そこから目隠しをして挑戦されてました。まずトランプがあるところまで行くのが大変。そこでトランプを引いてもなんだかわからない。誰かに読み上げてもらいます。これで視覚障害者の気持ちがわかる、と言うのではなく例えば災害で停電してしまったときなどでもこういう状況はありえるので、あくまで見えない状態で「何が必要なのか」をシミュレーションしています。無事隣の人にお願いしてトランプを読み上げてもらいグループに合流できました。

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こちらは全員で声を禁止です。全員が声を禁止するとイコール耳栓をしているのと同じような状態でもあります(コミュニケーションで音がない状態)。それぞれがブギーボードを持ち、返事は相手のところに書き込んだり、イラストを書いてみたりと慣れてくると心地よいコミュニケーションが展開していきます。

狙いとしては「全員見えない」「全員聞こえない」だとそれほどコミュニケーションに困ることはなくむしろ心地よく楽しく全員が同じ時間軸と情報量を共有していきます。

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次のステップはこれらを混ぜた状態でやってみます。目が見えない、耳が聞こえない(右の男性は難聴者)、そして見えて聞こえる人、と。それぞれコミュニケーションの方法やスピードが違うのでどうやって相手に伝達をするかをまず考えて決めて試してみます。最初は戸惑う人も多いのですが、今回の参加者の方たちは積極的に相手に聞いたりしてほしいことを言ったりしてスムーズにできていたようです。またこういうケースだと音声認識アプリとか翻訳アプリなんかが活用できるシーンでもありますね。

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「日本語禁止」と言うルールを適用したとき、言語的には今回第二言語が手話の手話話者のみでグループが出来上がったので、手話で会話をしていたグループもありました。「日本語禁止」って言うルールだと英語になるグループも多いのですが、それも一つのマジョリティに過ぎず、手話がマジョリティになり得るときもあります。そうなると逆に手話じゃない人がマイノリティになりそこへどうやって伝達するのがいいのかなど考えることになります。今回外国語を話す参加者はいませんでしたが、そういう参加者がいるとこのイベントの多様性は一気に広がります。

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3グループで5セッション行いました。頭ではイメージできてても実際に目隠しとか声禁止とか体験してみるとぜんぜん想像とは違った感じだと参加された方はいいます。多言語カフェは「コミュニケーションの実験の場」でもあります。

次回、まだ決まってませんが、年内にもう一度やると思います。

ご参加された皆様、ありがとうございました!

(青木秀仁)


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