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キャリアは「デザイン」だけじゃなく「ドリフト」してもいい

どうも!リハコン細川です!

前回、「35歳キャリアの境界説」と「キャリアの四面体」を書きましたが、まだ読んでいない方は前提理解をするためにコチラからぜひご一読ください!

本日は、「キャリアドリフト」について。

では、さっそくいきます。

◆これからの時代はキャリアデザインよりもキャリアドリフト!?


キャリアデザインを語る上でおさえておきたいのが、「キャリアドリフト」とういう考え方です。

これは、神戸大学大学院の金井壽宏教授が提唱するキャリア概念のひとつで、『職業人生はキャリアデザインとキャリアドリフトの繰り返しである』と考えられています。

つまり、キャリアデザインに対になるような概念というよりは、キャリアデザインの一つの手法と考えたほうが適切といえます。

キャリアドリフトは、『自分のキャリアについて大きな方向づけさえできていれば、人生の節目ごとに次のステップをしっかりとデザインするだけでよく、節目と節目の間は「偶然の出会い」や「予期せぬ出来事」をチャンスとして柔軟に受け止めるために、あえて状況に“流されるまま(ドリフトdriftとは「漂流する」という意味)”でいることも必要だ』という考え方をいいます。

自分自身と真剣に向き合い、キャリアについて構想するのはとても重苦しく、疲れる作業ですし、日頃からたえず「自分が本当にしたいことは何か」などと追求しつづけるような働き方、過ごし方はあまり生産的とはいえません。

特に変化の激しい昨今においては、20年先、30年先の将来まで見通して事細かにキャリアをデザインするのは不可能に近いでしょう。

児美川氏は「夢の職業に就き、それを継続している人」がわずか10%程度と報告しています。

だからこそ、細かくキャリアデザインを固めすぎず、何年かに一度、節目を迎えるたびに、立ち止まってしっかりとキャリアデザインを見直せばいいという考え方です。

◆「計画された偶発性理論」の要点整理

こうした考え方の典型的な理論として有名なのが、ジョン・D・クランボルツの提唱した「計画された偶発性理論(Planned Happenstance)」です。

研究でクランボルツは、18歳の時の『やりたい仕事』を実際にやっているかどうかを、アメリカのビジネスパーソン対象に調査しました。

その結果、98%の人が18歳のときに描いたやりたい仕事に就いていないことに気付きました。

この理論によるとキャリアの80%は偶然に支配されているとされています。

そして、理想のキャリアを手にしている人は、そうした偶然に訪れるチャンスに対してオープンマインドの姿勢(自分の持つ思想以外に心を開いている)の考えを持っている人が多かったといいます。

【計画された偶発性理論の要点】
1人々のキャリアは、予期せぬ偶然によって決まっていく。
2自分自身の努力次第で偶然の出来事を自身のキャリアに生かすことが出来る。
3偶然の出来事が起こるのを待つのではなく、意図的に引き起こそうとすることが大切。

以上から、‟キャリアデザイン”で土台をつくった後に、‟キャリアドリフト”を活用し、オープンマインドの姿勢で積極的に行動することがキャリアでは重要だと言えます。

今日はここまで!

では!!

【引用・参考文献】
1)金井 壽宏(2002):『働くひとのためのキャリア・デザイン』.PHP新書.
2)児美川 孝一郎(2016):『夢があふれる社会に希望はあるか』.ベストセラーズ.
3)J.D.クランボルツ・A.S.レヴィン(2005):『その幸運は偶然ではないんです!』(花田光世・大木紀子・宮地 夕紀子 訳)ダイヤモンド社.

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