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リハビリ職(理学療法士・作業療法士)の企業転職ってどうなの?

木曜日担当の北垣(@kitchy007)です。


私の方からは、リハ職としての新しい働き方や、読者の方々と一緒に模索したり、リハコンでやっている活動などのご報告ができればと思います。

この度、2021年4月より、リハコンnoteをリニューアルすることとなりました。

詳しくはこちら。リハコンnote2021の詳細はこちら。
サロンでの相互交流を目指していきますので、是非ご一読ください。


さて、先日POSTで「リハ職のための一般企業転職戦略」というテーマでセミナーをさせていただきました。

※ちなみに、この記事の「一般企業」は、医療・介護の臨床業務以外の仕事を行う会社という定義で話を進めていきます。


その影響もあってか、定期的に「一般企業へ転職したいのですが、、、」というご相談を受けることがあります。


一定のニーズがあるかと思いましたので、

「リハ職の企業転職ってどうなの?」

について、話をしたいと思います。(私見が多分に入っていますがご了承ください。。。)


本分に入る前に、まず前提として、私は、一般企業にリハ職が転職することについて下記の理由から肯定派です。

●社会的メリットがある
・リハビリテーションの視点が社会に広まる

●リハ職側のメリットがある
・リハ職の職域の拡大
・所得の増加(これはその人次第か‥)
・現場の枠に囚われず社会へより大きなインパクトが与えられる(これもその人次第か‥)

企業側のメリットがある
・医療現場に適したソリューション開発につなげる
・リハ職独自の知見を活かした新しい価値が得られる
・医療、介護現場の営業に活きる

その上で、
リハ職の一般企業転職がもっと一般化したらいいのにな、
一般企業の転職に興味がある人の参考になればいいな、

との思いで記事を書いています。


1.一般企業で働くリハ職ってどれくらいいるの?

まず、全国に一般企業で働くリハ職はどれくらいいるのでしょうか?


理学療法士協会の資料によると、理学療法士協会会員のうち、一般企業で働いているのは、83施設155人とのこと。

PT協会会員が、約12万人ですので約0.1%が民間企業で働いているようです。


1,000人に1人。。。思ったより少ないですね。

ただ、一般企業で働いているリハ職は、一般的に協会に入らない方が多い印象なので、もうちょっといらっしゃると思います。

ちなみに、一般企業に就職するパターンとしては下記の二つがあります。

①医療機関、介護事業所勤務ののち転職する
②新卒で企業に転職する


①医療機関勤務ののち転職する

私はこのパターンでした。


大手企業や、ヘルスケアベンチャーにも多くのリハ職が所属していらっしゃいます。


余談ですが、某国立大学の理学療法学科で、

新卒で病院や介護施設で5年間働いている確率を


「5年生存率」


と表現されているようで、その「5年生存率」

なんと、、、


5%!

それほど、リハ職から一般企業に転職することが一般的になってきているようです。

ちなみに、私が所属していた前職の会社では、元々リハ職が私一人だったのですが、現在は10名弱のリハ職が所属するまでに増えています。


②新卒で企業に転職する


新卒でも、民間企業に転職するパターンはかなり増えているようです。私が大学を新卒で卒業した時、OT学科の卒業生約40名のうち、一般企業に転職した学生は、1人でした。

しかし、2015年の卒業生の資料によると、理学療法学科は、皆さん医療・福祉系ですが、作業療法学科は、約5〜10%程度の学生が民間企業を視野に入れて就職活動をしているようですね。

■2015年版東京都立大学学生の就職先


2.リハ職って一般企業からの需要あるの?


徐々に、リハ職が一般企業に転職するパターンが増えてきたのはわかったけれど、一般企業側のリハ職への転職ニーズはどれくらいあるのでしょうか??


私の知っている範囲でも、大手シンクタンク、経営コンサル、デベロッパー、医療介護人材紹介、保険会社、ヘルステック、AI関連、の会社で働いている方がいます。

(※皆さんのインタビューとかしてみたいですね。)

たくさん、ニーズあるかな〜と思い、大手人材紹介複数社に、リハ職として求人募集をしている一般企業がどれくらいあるか聞いてみました。


結果、4社。。。


「リハ職だから採用したい」という募集は、まだまだないようです。

ですので、一般企業へ転職する場合は、

自分自身がどんなスキルを持っていて、会社に対してどのように貢献できるかをしっかりとプレゼンできないと、難しいのが現状かもしれません。

3.医療機関と一般企業の働き方の違い


一概に言えないのですが、

ざっくり医療機関と一般企業で働く上で理解をしておきたい違いを示します。

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上記表の中でも、大きく違う点が、仕事内容です。

病院時代は、臨床業務がほぼメインだったところから、営業、事業企画、商品企画、マーケティング、人事など、、、無限にあります。

一般企業では、ある程度仕事内容はフォーマット化されていますが、基本は成果でみられます。


臨床業務とは異なる頭の使い方が求められることは、前提として押さえておいた方が良いと思います。


4.自分にあった業界、会社の選び方は?

自分にあった会社を選ぶ際は大きく分けると、
■自分を知る
■業界、企業を知る

の2つの軸があります。


それぞれ考えていきましょう。


5.自分を知る

自分を知るを、2つに分解して考えます。

①なぜ、企業に転職するのか?
②自分の武器は何か?


①なぜ、転職するのか?
「給与をあげたいのか?」
「ビジネスの世界で成長したいのか?」
「成し遂げたいビジョンがあるのか?」
「安定した大企業で働きたいのか?」

・・・などなど、
人にはそれぞれ異なるモチベーションがあります。

私は、
「ビジネスの市場で勝負したい」
「医療にもっと広く関わり貢献したい」
「仕事に強い意志を持った人と働きたい」
という想いで、企業転職を決めました。


皆さんはどのような動機をお持ちですか?


参考文献として、
リンクアンドモチベーションの麻野さんの著書「The Team」によると、
仕事のエンゲージメントを左右する要素として

「Philosophy(理念)」
「Profession(仕事)」
「People(働く人)」
「Privilege(待遇、報酬)」の頭文字をとって

「エンゲージメントの4P」として定義しています。


ご自身がこれら4つのPのどれを求めているか?を知ることで、
仕事とに対する自身の価値観を知ることができ、キャリア形成においても有用だと思います。

ぜひ、一読されることをお勧めします。


この、「自分を知る」は最も大事なことだと思います。

これを明確にしないまま、
転職すると失敗のリスクが高いです。


「思ったのと違った」
「自分はこうしたいのに会社がさせせてくれない」
「上司が仕事できない」
・・・

よく聞く会社員の愚痴です。w


愚痴をいう環境にいるのは自分自身の責任。
自分の人生に責任を持ちましょう。。。


②自分の武器は何か?

次に自分の武器を把握します。


まず、前提として年齢によって、市場から見られるポイントは異なります。

下の図は、私の私見ですが、年代別に下記のように見られていると思っています。

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年齢が上がっていくほどによりシビアに見られるという前提のもと、
自分の武器を考えると良いと思います。

若さ
過去の経歴
得意なスキル
人脈
情熱を捧げられること

など。

例えば、私が病院時代に経験したこと

これらから、
自分がアピールできる経験を探っていきました。


皆さんも、
ご自分の経験やスキルの棚卸をしてみましょう〜。


6.業界、企業を知る

次に業界、企業研究。


日本には、約380万件の企業があり、そんな中から、自分にあった企業を見つけるのは非常に大変です。

なので、ポイントを絞って探す必要があります。

企業を見つけるポイントは、、、

「業界のライフサイクル」をみる

です。


プロダクトライフサイクルというが考え方があります。

説明は下記を読んでください。w
プロダクトライフサイクルとは(野村総合研究所:用語解説より)


このプロダクトライフサイクルの考え方を、業界に当てはめて考えてみるといいです。

画像3

・導入機:その業界は始まったばかり。まだ市場に浸透していない。需要?
・成長期:市場に認知され、広がっている状態。需要>供給
・成熟期:市場に浸透し渡った状況。需要=<供給
・衰退期:需要<供給の状態で、市場が整理されていく

そして、
自分が働きたい業界のライフサイクルがどこにあるのかを知ることで、

その業界が今後伸びるのか?
そもそもその市場は縮小していくのか?

を判断し、自分がどのポジションにつくべきかを見極めましょう。

ライフサイクルのどのフェーズごとの特徴をまとめてみました。(超私見です)

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ざっと、業界ごとのポジションも。

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上記のライフサイクルの中で自分は、
どこがあっているのか?
どこであれば自分が成長できそうか?
どこであれば自分おスキルが活かせそうか?

といったことを合わせて考えることで、
転職すべき企業がより具体的に見えてきます。


7.最後に

今回は、リハ職の企業転職をテーマに、転職市場から、具体的な企業研究の部分までお伝えしました。

・自分を知る
・業界、企業を知る

できましたか?

転職を決めたら、あとは、
ひたすらその企業の人に話を聞きまくる
ことが最もおすすめです。


いろんな伝手を使えばほとんどの方と、繋がることができます。
withコロナだからこそ、オンラインでたくさんの方と会うことができます。


逆に今が、いろんな人の話を聞くことができるチャンスですので、是非やってみてください。

また、何かあれば、お気軽にメッセージをいただければ幸いです。


では!


リハコン北垣(@kitchy007)

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