【日記】2021/2/11 Suchmos のバンド活動休止によせて

2月3日、Suchmosが活動休止を発表した。確かに対バンツアーの中止が発表になってから、バンドの動きが見えない状況が続いていたけれど、一時的な休止とはいえ、まさしく青天の霹靂だった。

彼らが出てきた2015年前後は、フェス文化の発展により四つ打ちロックが日本のロックシーンを席巻していた頃だ。そこに新しい風を吹かせることに成功したのは間違いなく彼らだった。後に絶大な人気を博すようになるKing Gnuがブレイクしたのも、彼らの存在は不可欠とすら思う。2016年、HONDAのCMタイアップ曲「STAY TUNE」によってお茶の間でも認知される存在になった。2018年年末には紅白歌合戦にも出演。しかし、2019年リリースのアルバム『THE ANYMAL』で彼らは「和製ジャミロクワイ」というデビュー当時からのコピーを払拭させるような大胆な方向転換に出た。正直、ここで篩にかけられてしまったファンもいたかもしれないけれど、私が聴いた限りでは、ロック、R&B、ソウルというそもそものルーツに忠実になっただけで、音楽的探究心が働いた結果なのだと思った。昨年7月に開催した配信ライブでも、『THE ANYMAL』からの流れを感じさせるような新曲を披露し、ここからまた快進撃が始まるものだと信じていた。

私がSuchmosを知ったのは、2016年の2月。彼らがGRAPEVINEの対バンイベントにゲストで呼ばれたのだ。初めて観たライブは、同年4月のARABAKI ROCK FESTで、10月に恵比寿リキッドルームで開催されたワンマンライブにも行けたが、この時すでにもうチケットが入手しづらい状況に。2017年のsummer sonicのステージでは、大きなステージでのパフォーマンスにも慣れたのか、堂々としたvocal ヨンスの背中が印象的だった。

そして2019年9月8日。台風が近づいているなか、強行突破に近い形で、無事行われた横浜スタジアムでのワンマン。ハマスタでライブをすることは、デビュー当時からずっと言ってきた夢である。それを4年ほどの短期間で叶えてしまった彼らは、まさに時代の寵児なのだろう。でも、私にとってあの日のライブが特別であり続ける理由は、彼らと私は同郷であり、「なぜ東京で生活しないのか」という音楽的な魅力とは別の、感覚的なものを共有している気がするからだった。


改めて、たくさんの夢を見させてくれてありがとう。バンドを一時的に止めることで、また前向きな何かが生まれることを願っています。夢の続きが描かれる日が来ることを、いつまでも待っています。


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