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【10月の日記】GRAPEVINE『Almost there』を聴く。

9月27日に発売され、GRAPEVINEにとって18枚目のオリジナルアルバム『Almost there 』。今回バンドが招いたプロデューサーは、サポートメンバーとして20年以上の付き合いのある高野勲氏。

高野さんは、実際にプロデューサーとしての実績もあり、何よりGRAPEVINEというバンドを良く理解している方。だからなのか、まず、一周目を聴き終えて感じたことが「よりGRAPEVINE を、メンバーの存在を、個を感じられるアルバムになってるよなぁ」でした。

例えば、とある曲ではギターの西川さんだったら今ここで一番聴きたい西川さんのギターの音が必ず鳴っている。それがメンバー全員に言える。またライブでもお見受けできる高野さんの奇才っぷりがアレンジ等々存分に発揮され、それがこのアルバムのフックになってるような。
外部のプロデューサーを呼んだら、きっとこうはならなかったよなぁと思う。内輪ノリで終わらせるのでもなく「らしさ」を残しつつ、新しい引き出しもまた増やす。このバンドは、そういうとにかく作業が楽しいのだろう。

さて。歌詞について。
メタファー多めで本音をハッキリ言わないカモフラージュだらけの歌詞を書いてはファンを困惑させるだけではなく「本を読んだり映画を観て勉強しろ」と言う男(田中氏)の、ストレートな歌詞はさすがに聴いてて恥ずかしかった。久しぶりに今の感情剥き出しな歌詞が多い。
でも、それは先日観たZeppShinjuku(TOKYO)のライブ(セットリスト)に通ずるもので、だからあの日、20代前半に観ていた観たバインのライブのことを思い出したのかもしれない。

あと、重要なこととして、田中さんがどストレートなものを書けた背景にあるものも、プロデューサーが高野さんだからだと思うのね。長年共に活動しているこのメンバーだからこそ、安心して曝け出すことができたのではないかと…。

個人的なことを書くと、正直、今年アルバムが出るとは思ってなかったし、どんな曲を出すのかと良くも悪くも変に勘ぐっていたので、ちょっぴり構えて聴いてしまったけど(すいません…)「なんだいつものGRAPEVINEじゃん」って思いました。

世界中が敵だと感じたなら 選ばれたってことさ
呆れるほど独創的なプレイスタイルで 今ひっくり返しちまえ

「Ub(You bet on it)」GRAPEVINE

「Ub(You bet on it)」を初めて聴いたとき、胸のすく思いがした。
それこそ20代半ばの頃、「その未来」をライブで聴いたとき、胸を鷲掴みにされたあの感じと近いものが「Ub(You bet on it)」にあった。私には。それくらい衝撃的な歌詞で、曲(演奏)で、この曲がアルバムの1曲目に選ばれたことには覚悟を感じている。残りの人生、バンドに掛けた彼らの航海はなかなか面白そうだな。そんな期待で胸がいっぱい。


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