見出し画像

彷徨い続けて見えたものはここにはないけれど残ったものは音楽だった


誰に正直にいればいいんだかわからなくて
やり場のない怒りにまた悲しくなって
歪んでいく自分の顔に腹が立って
ああ今日は散々な日だな
毎日自分に自問自答してたら
頭がおかしくなるって聞いたんだ
でも、私また違うみたい
なんだか涙が出たがらないんだ
ねえ心を少し休めない?
荒くなる呼吸にそう声をかけた
空に飲まれる声を追いかけて
毎日こうして身体を動かせるのは
あなたに会えるのは
唄を歌えるのは
呼吸をしているからだよ
膨らんでいく肺と萎んでいく肺
吐き出された空気に
何もかも溶かしてしまおう


このくらいでいいだろう
偽物ばかりの世界を君に見せたくなくて
小さな枠にはまっていた方が心地いい時がある
私たちは何度
言葉に傷つき、縋るのだろう
言葉などなくとも感じているはずなのに
目に見えてわかりやすいもので
埋め尽くさないで
見つけてもらうために
僕たちは名前をもらった
目に見えるものだけを追いかけて
目に見えないものを信じれなくなって
ねえ目を閉じてみて
そこには何が見える?
誰かと一緒にいるときの孤独は
より一層閉じ込めようとしてくる
自分の身体の調子なんかよりも
周りの人が喜んでくれるかどうかだった
視界を遮ってくるものが嫌いだった
あの暗闇はもううんざりだ
ため息を隠したくて
煙草をくわえる
彷徨い続けて見えたものはここにはないけれど
残ったものは音楽だった

そうかそうか
これでいいんだ
溢れてくるものを止めないで
誰にも気を遣わないで
自分のために生きていいよ
生きていいんだよ
忘れている感覚
リズムを、メロディを
呼び起こそう



また来たな
大事にされてないんじゃないかって
この世に意味なく生まれてきた命はないんだって
そんな温かい言葉も通さないほど
冷たく凍って動けなくなるときがある
相手が嫌だなって思うだろうことを避けて
言われたくないだろうから気にしてないフリをして
愛されるために生まれてきた、なんてのも
理解はできてきたけど
本気で思えてない私がいるのも事実で
愛されようとしないでいいんだよ
私なんかよりも
あなたが傷ついたということが
とてつもなく悲しいんだ
大切にされたことがない
なんてことはないはずなのに
真っ逆さまに落ちていく
そしていつだって私は
重力に任せたまま落ちるだけ
逆らうことなく終わりを待つんだ





近づくのはいやよ
目を逸らさないで
もっと愛が欲しい
痛いくらいにずっと抱きしめていて
壊してもいいよ
じゃないとどこかへ飛んでいっちゃうよ
あなたは知らない私のこと
私の知らないあなたのこと
だから一つずつ知りたい消したい
一つになれないことは悲しいことじゃない
繋がっている
そして二人は離れられないことを知るの
この切なさを感じてる?
重くて寂しいよね
手のひらを合わせた
この温度、この感触
あなたと私の証は
ずっと消えずにここにあるよ



ここから先は

394字
裸足が好きです

白よりの藍

¥500 / 月

日記のような、詩のような、形のない言葉たちを自由に描いてます

世界でたった一人の自分で在り続けること 頂いたサポートは創作活動への励みにさせて頂きます。見て下さりありがとうございます。