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短歌 卒業 十首

へたくそな口笛だって構わない 今はひたすら声がききたい

桜色の袴が似合う人でした ほんとに淡く散ってしまった

嫌いとは愛の同義語 三月の空になびかぬ切りすぎた髪

アイシャドウなんてつけない 嘘のない瞳で君を見ていたいから

ツーアウト満塁みたいな恋をした 次の一手が決定打なの

居残ったざわめきがまた暴れ出し蕾のきみをこじ開けてゆく

萌芽とは青年の春に訪れる葛藤の蔦を断ち切るカード

羊たちのさえずりを聞く卒業式 悲鳴が礼賛される儀式

もう自由つまりあなたはもう孤独それが嫌なら求めてみせよ

ようやっとあたしあなたを卒業し古い日付けの手帳を捨てた

#短歌 #note短歌部 #文縁の友

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