短歌 秋風 十首
季節すらアップデートされみんなしてスマホの画面に秋を見ている
積み上げた想いにゼロをかけてみた 後悔よりも快感が勝った
ペディキュアを気にした日々が過ぎ去って喪失色のアキアカネ舞う
切り過ぎた前髪を気にする癖を笑ってくれた貴方がいない
「ありがとう」言いそびれたまま秋になり首から冬に突っ込んでいく
「愛しい」が 「悲しい」に聞こえる鈴虫の声 に唇を噛む
幼くて稚拙な傷は絶縁体 6弦に添える指は震えて
残酷になりきれなくて笑ってる哀れな鬼がありふれている
「負けないで」が「早くしろ」にしか聞こえない あの番組を観ないでよかった
iPhoneがフォークリフトのてっぺんに追いやられたら幸せになれ
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