見出し画像

短歌 秋雨前線 十首

まほろぼはあなたの腕の中にある 現代科学で証明できない

喪失は気づいた時から始まって落ち葉みたいに重なっていく

もう夏はどこにもいないことにして青い毛布を引っ張り出そう

涙雨だと豪語した女の背にはシメジが数本生えてる

秋雨もスープにできたら良いのにな たったひとりのホームで思う

笑う者笑われる者さまざまで交差点では猫が主役だ

朝もやは晴れるためだけにあるのだ すべての傷がそうあるように

大丈夫 あなたはちゃんと私の傷跡 決して消えることのない

何処へでも飛べる気がしたから飛んで全治二カ月ですんで良かった

優しさと怒りを併せ持つこの気持ちこそ恋なんだろな

#短歌 #note短歌部 #文縁の友

記事をお読みくださり、ありがとうございます!もしサポートいただけましたら、今後の創作のための取材費や、美味しいコーヒータイムの資金にいたします(*‘ω‘ *)