短歌 恋人 十首
1
指と指チョコレート越しにあわせて買ったばかりのシーツに沈む
2
耳たぶに触れるときまだためらいがあるからきみをまた好きになる
3
屈服はきみにだけする もし明日世界が終わると脅されたって
4
きみが好きな味のポテチは売ってないから寄り道しない
5
流れ星なんて見つける暇がない となりできみが深呼吸する
6
恋人がいますときどき壊れます朝が来るたび一緒に泣きます
7
奇跡とか純愛とかそうではなくて既成事実のふたりがほしい
8
プリンだけ残しておくなんてひどい その優しさが阻害要因
9
優しさも気持ちよさも悲しさもぜんぶ分けあう共犯者
10
はじめてをあげられなくってごめんね と それでもいい が キスをはじめる
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