短歌 女性 十首
アキアカネを捕まえてはいけない あれは少女の真夏の残滓
ふうわりと空を飛べたらゾッとする 貴方に向かって落下するから
緑色が好きだったあの子すら女になった 見る影もなく
伸びた爪ネイルした爪噛んだ爪 すべて貴方を引っ掻くために
美談ならもう欲しくない 薔薇弁が敷き詰められてるみたいで怖い
わかってる間違っていると それなのに「おかえりなさい」と母は微笑む
卵から絶望がピヨと産まれたら虚仮と鳴くまで預かっていて
調布駅にて乗り換える特急に貴方がどこにもいない悲劇
ディアー過去、君が見捨てた濡れネズミはオスを見つけてまだ生きている
「最底」を口にするたび本当に堕ちていくのをただ見つめてた
記事をお読みくださり、ありがとうございます!もしサポートいただけましたら、今後の創作のための取材費や、美味しいコーヒータイムの資金にいたします(*‘ω‘ *)